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映画:フィッシュマンズのyukoのレビュー・感想・評価

映画:フィッシュマンズ(2021年製作の映画)
3.9
なんだかくらってしまって、言葉が出ない。当時は、SNSどころかインターネットも身近に無くて、佐藤伸治の死をそこまで近いことと感じられなかったけど(10代だったし)突然いなくなってしまった喪失感を今、メンバーと一緒に味わっているような気持ちになった。当時SNSが無くて良かった。なんか多分受け止められなそうな気がする。

バンドを続けること、自分の音楽を作っていくこと、人としての成長を含めての苦悩や葛藤をリアルに生々しく見てしまった感じ。才能と若さ、未熟さetc.
あの時しか出来ないこと、出せない輝きが詰まっていた。

今は自分も成長して、人は別れを繰り返して大人になっていくってことが実感としてわかっているから、映画を見ていて腑に落とせるけれど、メンバーや周りの人が離れて行く時の、当時の佐藤伸治の気持ちを考えると、胸が苦しくなる。もちろん、去っていく方も、というかむしろ今そっちの気持ちのがわかるというか。

空中キャンプが出た96年頃私は中学生で、色んな音楽を聴き始めたばかりだった。その中にはフィッシュマンズも入っていたけれどLONG SEASON以降、中学生には中々理解が難しかった笑 たまたま見たいアーティストが出ていたライブにフィッシュマンズも出ていて1度だけライブを見た。
今の記憶を持ったまま、あの時に戻りたい!泣

あと、人は内省的になりすぎると死ぬ。
だから純文学の作家は自殺者が多いと聞いたことがある。彼の音楽も純文学だったと思う。
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