メロディと妹ライラ、友人のダンテとルースは新しいビジネスを始めるため、ゴーストタウンと化しているテキサス州の小さな町ハーロウにやって来る。
この町では約50年前、5人の若者が人間の皮膚を被った殺人鬼に襲われる凄惨な事件が起きており、唯一の生存者サリーは現在もその犯人を探し続けていた。
知らぬ間に殺人鬼の棲家に足を踏み入れてしまったメロディたちは、想像を絶する恐怖へと突き落とされていく。
殺人鬼レザーフェイスが巻き起こす惨劇を描いた名作ホラー『悪魔のいけにえ』のシリーズ第9作。
1974年の1作目から数えること9本目の作品であり、今回は今までの続編をすべて取っ払って、現代を舞台にした1作目の続編という位置付け。
「また?」っていう話ですが、またです。
初代主人公のサリーを演じたマリリン・バーンズの死去によって同俳優での再登場は叶わなかったものの、本作には初代主人公のサリーが長い時を経て再登場。
2018年からはじまった『ハロウィン』シリーズ(1978年~)と同じようなスタイルですね。
ところが、今作のサリーは妙にマヌケというか行き当たりばったりで…。
この過疎地で50年近く捜査してもレザーフェイスの正体に辿り着けなかったという設定には疑問符がつくし。
あれじゃあこの数十年何をしていたんですかっていう話ですよ。
せめて憎きレザーフェイスを倒すために用意周到に準備していた!というカタルシスくらいは欲しかったですね。
最後のオチも、この続編は何をしたかったんだ!という元も子もない感想しか残らないし…。
ただ、第1作の主人公のサリー役は本作では別の女優さんが演じているのですが、吹替版では『悪魔のいけにえ』(1974年)東京12チャンネル版の泉晶子さんが続投されています。
日本語版スタッフの気の利いたお仕事には感謝なのでした。
また、スラッシャー映画としては悪くありません。
さすがは『ドント・ブリーズ』の監督が関わっているだけあって、ゴア描写には創意工夫が感じられます。
静寂の中での鬼ごっこにも緊張感が宿っており、演出はホラー映画として合格点と言えます。
ちなみに、本作のレザーフェイスは設定上おそらく75歳ぐらい。