10円様

ウォンカとチョコレート工場のはじまりの10円様のレビュー・感想・評価

3.7
 Netflixオリジナルでウェスアンダーソン監督がロアルドダール原作の映画を連発していた時、改めてロアルドダールの作品を調べたところビックリ!あの映画もこの映画もロアルドダール!彼がいかに世界に愛された作家かが分かります😊
 そして意外だったのが「007は二度死ぬ」の脚本もされているんですよね〜。

 本作、ウィリーウォンカを演じたのはティモシーシャラメですが、過去ウォンカを演じ人はジーンワイルダーとジョニーデップですね。過去作の2人のウォンカって、けっこう酷いキャラだったと思うんですよね。ワイルダーの教育理念が現代と異なるためか分かりませんが、子どもに対して割と辛辣な態度を取っています。
 ジョニーデップのウォンカにしても、意地悪な子どもたちにお仕置き的なもの歳でとんでもない事をしていますからね。

 なので私の中でウィリーウォンカという人物は他者が抗えない権威を無邪気さでもって行使し、自分の快楽として変換する。しかしそれが他者にとって戒めとなる。お仕置きはムチとなり、チョコが飴となりバランスをかろうじて保つ、神の所業を中途半端に行う人…つまり北欧神話のロキみたいな人ってイメージでした。

 でも現代のウィリーウォンカって全く別人として描かれてましたね。まあ若き日の…って映画だからこの後何かが彼に起こって変人になった可能性はありますけど、苦労人で高潔で、優しさに溢れた青年でした。
 
 時代と舞台は貧困が蔓延るイギリス。年代は劇中明らかにされていませんが、おそらくヨーク調査が始まった1899年前後だと思います。
 本作で貧富の差の象徴して描かれているのが「チョコレート」です。拝金主義的な経営者たちは富裕層を相手にチョコを高額で売りつけ、時には賄賂として使用しているのに対し、チャーリーは味も遊び心も最高のチョコを安価で配っています。それは救世主弾圧にかかる当時の世相そのものですよね。
 金持ち達はあの手この手でチャーリーを失脚させようとしますが、チャーリーは挫けず突き進むサクセスストーリーとなっています。
 もしここでチャーリーが挫折したのだとすると、前二作品のマッドサイエンティストやサイコパスのようなチャーリーが誕生したのだと思いますが、本作の世界線で成長したチャーリーは、きっともっと別人になっているのではないかと思います😊

 本当はクリスマスに劇場行こうと思ったんですが、1人で行くのが虚しくレンタルまで待ちました😅
 ミュージカルシーン、決して派手ではないけどサラッとした味付けはできてましたね!
キャストも何気に個性的な方々がそろっていて良かったです。
 チョコジャンキーで肥満で髭面なキーガンマイケルキー。どうしても彼だけは本人と思えませんでした笑
 
10円様

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