ガブXスカイウォーカー

遊星王子2021のガブXスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

遊星王子2021(2021年製作の映画)
4.0
これは良かった!
低予算、グダグダなストーリー、空回り気味のギャグ、チャチな特撮だが、そこにオリジナル版『遊星王子』や『ウルトラマン』へのリスペクトなど河崎監督の好きな物がたっぷりと詰め込まれている。計算なのか偶然なのか、それらは相乗効果を生み、いい意味のバカバカしさとレトロ感を醸し出ていることには感心させられた。

さらに後半では、「宇宙の正義の基準とは?」、「遊星王子は神なのか悪魔なのか?」、「身勝手な一般大衆とマスコミたち」など、ハードなテーマを打ち出してもくる。もちろんラストは河崎実監督らしいくだらない落ちで和ませてくれる。この落差がじつに良い。

なにより特筆すべきは主役の日向野祥だ。遊星王子とアイドル歌手の舟木康介の2役を楽しそうに演じ分ける彼の怪演こそが今作を糞映画の一歩手前でバカ映画に昇華させた最大の要因なのだ(断言)。

『遊星王子2021』はマニアックな特撮ネタばかりなので、一般の方にはわかりづらいし、レンタル店にもなかなか置いていない(もし俺が店長だったとしても絶対に入荷しない)。だが、一般人の方は無料で観る機会があったらでいい、特撮ファンにはなるべく観てほしい特撮バカ映画の快作である。おそらく現時点の河崎実監督作品の最高傑作であろう。 
大オマケして4.0!