しゅうへい

ブレット・トレインのしゅうへいのレビュー・感想・評価

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)
1.5
「全車両殺し屋だらけ ― 連結していく10人の因縁」

謎の女性から電話越しにブリーフケースを奪うよう指令を受けた、世界で最も運の悪い殺し屋レディバグ。気合たっぷりに<東京発・京都行>の超高速列車に乗り込むが、それは彼にとって人生最悪な旅の始まりだった。次々と乗りこんでくる殺し屋たちが、全く身に覚えのないレディバグに襲い掛かる。

伊坂幸太郎による『殺し屋シリーズ』の第2作『マリアビートル』をハリウッド映画化したクライムアクション。原題は直訳で「弾丸列車」のことで、狭義で「日本の新幹線」を表す。歌舞伎町タワー2Fみたいな世界観。以下やや脱線した批判レビュー。

彼らは今だに日本よりもトンデモジャパンの方が好きらしい。ハリウッドはいつまでこの日本の描き方に固執してるのか。「海外から見た日本、間違えた日本の解釈」は時代遅れ。『キル・ビル』あたりで終わらせるべきだった。今作は特に質が悪く風情の欠片もない、例えるなら近未来チャイナに侵略された日本街。外国人を自国民よりも手厚く優遇し、自称難民の移民を受け入れ続けた結果崩壊した、近い将来の日本なのかも。コロナ禍の撮影ということを考慮してもこれはない。

日本人キャストはお馴染みの真田広之、福原かれん、マシ・オカのみ。2017年の不祥事後に海外で修行を積んだ、小出恵介が直前で降板となったらしい。出演者の人種のことでとやかく言いたくは無いけど、ホワイトウォッシングの批判が出るのは至極当然。それはさておき問題なのは、日本へのリスペクトが微塵も感じなかったということと、某キャラの設定である境界性パーソナリティ障害を軽々しく扱ったこと。

中身も薄寒いアクション・コメディだった…。エンタメにマジレスはダサいのは重々承知、許容できれば良かったのだけど。「登場人物の軽妙な会話、ノートパソコンを使ったバトルなど、リーチ監督特有のテンポいい演出が原作の世界観を絶妙に表現されていた」らしいが、わざわざ日本にする意味がない。設定のみのオマージュで良かった。例を挙げれば『銃夢』と『アリータ: バトル・エンジェル』、『童夢』と『イノセンツ』はオールクリア。日本が舞台!ということで大々的に宣伝されてただけ。ブラピの顔を効かせたB⁺級映画。

『ジョン・ウィック』最新作も日本が舞台ということで不安しかない…。前情報の段階で直感で合わないと感じる作品に良い意味で裏切られることがない。今作も嫌な予感が的中してました。お酒が入ると辛辣になります。皆様のレビュー参考にさせていただきます!
しゅうへい

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