のんchan

クライマーズ・ハイののんchanのネタバレレビュー・内容・結末

クライマーズ・ハイ(2008年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

※過去メモより転記


『沈まぬ太陽』を観る為の下準備にと借りたDVDに嵌りました!!
2008年に映画化されたこの作品が面白くて、息を呑んで観終わりました。

どうしても2005年にNHKがドラマ化したDVDも観たくなり、慌てて借りてきて観比べた次第。


《あらすじ》
1985年8月12日午後6時56分、乗員・乗客524人を乗せた日本航空のジャンボ機が群馬県の御巣鷹山に墜落。犠牲者520人という単独航空機としては史上最悪の事故が起こった。
北関東新聞社の遊軍記者・悠木和雅(佐藤浩市・堤真一)は、その衝撃の一報をテレビの臨時ニュースによって知ることになる。
「日航ジャンボ機墜落事故」はかつて様々な事故を報道してきた北関東新聞社の記者、デスクらも言葉を失う惨事だった。そのニュースが伝えられるとフロアは一変、翌日の朝刊作成を終えた記者らも再びペンを握り、上からの指示を待つ。
悠木は【日航全権デスク(総責任者)】に指名され、詳細不明のこの報道を任せられることになる・・・


大惨事を報道する新聞社を背景に、報道の全権を任せられた40歳の中堅記者が、組織内の軋轢・記者としてのモラル観と理想・そして深い溝が刻まれた息子との関係に苦悩しながら、現実に立ち向かう姿を描いているのだが、まず、NHKはこの主人公に佐藤浩市を持って来て、ドラマとして大成功した。

仕事と家庭、そして友人の死と部下の死に深く計り知れない傷口を持つ男・・この凄惨な陰影を、冷静に等身大で演じられるのは、その当時は佐藤浩市しかなかったと断言できたかも。
この難役、どの俳優を想像しても、佐藤浩市の持つ独自の翳りを超えられなかったようだ。

だが、そのわずか3年後に、これほどの傑作ドラマがありながら、あえて新たに映画化することは、ある意味、自殺行為にも等しいものがあると言われながらも今度は堤真一を起用し映画化したのだ。


男の社会というか世界がずっと繰り広げられる。
佐藤浩市もさすがに嵌り役だったけど・・う~ん、堤真一も勝るとも劣らない演技だったし・・
何といっても映画は山岳撮影が素晴らしく、絶壁を登頂する光景や大自然の輝き、山肌の事故現場を再現したシーンも迫力満点でした。今回は観比べて、わたしは映画版に軍配をあげたい!!
のんchan

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