誰のためでもなく
ただ生きるという事。
誰のためでもなく
ただ死ぬという事。
日本でギリギリ底辺ではない生活を送る主人公とそのご近所さん達。
ちょっと不気味で不穏で違和感な人なのに
無言で真剣に作ったご飯の炊き立ての匂いを噛み締めてる姿を見て
仕事終わりの一番風呂でオッサンの声を自然に出す姿を見て
自分と何も変わらない人だと気付く。
ご近所さん達のいい距離感が彼を少しずつ変えるとか前を向かせるとかではなく、少しずつ開き直らせてる感じなのがいい。
ある漫画の台詞を思い出した。
人生本当にしんどいのは深い悲しみに暮れてる時じゃない。それはむしろ幸せな事で
本当にしんどいのはどん底から這い上がる時なんだ。
落ちてしまったどん底からとても静かに緩やかに1歩ずつつ這い上がるお話。
ムロツヨシの役所がコメディにもシリアスにもなってて実に良い。
松ケンの総てを諦めてる感じから開き直り始める感じがいい。
思わず泣けた。
そして何気にめっちゃ豪華俳優陣。
知らなかったけど粉にしたら罪じゃないって何でだろう。