ミーハー女子大生

海辺の彼女たちのミーハー女子大生のレビュー・感想・評価

海辺の彼女たち(2020年製作の映画)
2.7
【あらすじ】
アン、ニュー、フォンの3人のベトナム人女性たちは技能実習生として来日するものの、仕事場があまりにも過酷だったため、3か月で逃亡する。
彼女たちはブローカーの手配で雪深い港町にたどり着き、不法就労者としての立場に怯えながらも、故郷の家族のために必死に働き始める。
ようやく収入も安定してきたころ、体調不良を訴えていたフォンが倒れてしまう。
技能実習生として日本で働くベトナム人女性たちの姿を描くヒューマンドラマ。
より良い未来を夢見て来日した女性たちが、悲惨な現実とのギャップに苦しみながらも働き続ける。

【感想】
画面は常にブレブレで酔うし、作風だからとは言い訳出来ないレベルの薄暗さではなく、ほぼ真っ暗な画面のシーンが多々あって何が起こってるか非常に分かりにくかった。
ナレーション不在で淡々と進むため、画面作りや雰囲気はドキュメンタリー感あるのに、説明がほぼ無いからカメラマンが後ろから付いて来ただけのホームビデオ感すら感じた。

監督のSNSで知り合ったベトナム人女性たちから聞いた話を映画化したとのことだが、映画を見てる感じだと、本当にこの問題を理解されて作っているのか謎です。
ただ聞いた話をくっつけて並べただけでオチもぶん投げだし、どこにも救いが無い話にまず映画としてどう楽しめと?という印象です。
もっといろんな話を聞くべきだし、取材ももっとするべきだと思う。

監督がSNSで聞いた話で1番不幸な話を使うのまでは良いが、オチが投げられてるから結局何を伝えたいのか?
これはご想像にお任せエンドとは呼びたくありません。
1番最悪な事例を映画にして、その後はご想像にお任せしますエンドって一体監督は日本(青森)とベトナムのイメージ両方を悪くしているだけではないのか?
仕事現場の人は冷たくて心の無い言葉ばかり吐く日本人しか出てこない。
主人公の女の子も正直身勝手で憐れみ深いと言うよりも悲劇のヒロインぶってるだけでは?

確かに題材は話題性もあり界隈には刺さる内容だと思いますが、内容にひたすら救いが無いこと、日本と技能実習生の闇ばかり見せて酷い印象しか与えていないことが不満です。
監督のやりたいことリストを消化しただけ。
これで問題提起したつもりなら大間違いです。

運が悪くて技能実習の働く場がブラックならみんなこうなるのか?
両国の光の部分が全く無い様にしか捉えられない。
お互い損をする内容に心底ドン引きです。
受け手のことももう少し考えれば映画としてもマシになったのでは?

技能実習生と日本の外国人労働者の扱いの現状を広く伝えることは大事なことだと思っておりますので、今後もこの映画を見て何かを感じた方がこのような題材の作品を映画や本や演劇などのどのような形でも良いので正しくではあるが悪い面も良い面も持った作品が生まれてくれれば良いなと思いました。

ストーリー 2
演出 2
音楽 3
印象 2
独創性 4
関心度 3
総合 2.7

39/2023