TAK44マグナム

グリーンランドー地球最後の2日間ーのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

3.6
あと48時間で巨大隕石が衝突、科学者の予想では恐竜の絶滅時と同等かそれ以上の威力であり、地球上の生命の75%が死滅する!
だがしかし、地球最大の危機に対して人類はあまりにも無力であった・・・

という、非常にありがちなディザスターものではありますが、隕石を回避しようとしたりする内容ではなく、実際にそんな事態になったら人々はどんな風に行動するのか?を想像してみたって感じで興味深く観ました。
なにしろ彗星の発見が衝突の少し前なので「アルマゲドン」や「ディープインパクト」のように対策をこうじる余裕なんてありません。
それでも冷戦時に作られていたシェルターに選抜した国民を輸送する作戦を実行できるアメリカの底力は凄いと(実際に可能かどうかは別として)単純に思いました。
ちなみに彗星の名称はクラーク。
これはスーパーマンからきているのでしょうか?
別の太陽系から忽然と姿を現したって設定ですが、まるでガミラスの遊星爆弾かウルトラマンガイアの根源的破滅招来体みたいです。

主人公となるのは、家庭崩壊直前のジェラルド・バトラー一家(奥さんは俺ちゃんの奥さんでもあるモリーナ・バッカリン)。
夫婦関係は冷え切っており、可愛い一人息子は糖尿病でインシュリンが欠かせません。
この辺りもディザスターモノにありがちで、基本的な構図はローランド・エメリッヒの「2012」と丸かぶり(苦笑)
ただ、こちらの方がよりリアル志向。
例えば「2012」ではお金の力でノアの方舟に乗れますが、本作は高層建築士や医者など災害後の復興を重要視した人選だったりします。
・・・とは言うものの、主人公一家は危機に陥ってもチート作用で割とどうにかなってしまうので、そこら辺りはどうしても「映画的」。
まぁ、映画なのだから仕方ありません。
映画的といえばディザスター映画の売りとなる破壊描写ですが、特に最先端と呼べるものはなく既視感たっぷり。
CGも粗い。
そこに重点は置いてないのでしょう。
あ、東京はセリフ一言で壊滅してましたよ(汗)


なんとしてでも家族をシェルターに連れて行くために猛進するパパ。
数多の困難が48時間のうちに待ち受けます。
その道中で色々な出会いがあるのですが、緊急事態下、人間性を失わない善人もいれば、暴徒と化したり他人を陥れたりする人もいるよってお話でした。
神にすがったり、現実逃避でパーティに明け暮れたり、多様な人類最期の夜の過ごし方に触れるジェラルド・バトラー。
しかし彼は諦めないのです。
その強い意志が家族の運命を左右する、頑張るパパの姿に感銘をうけました。
しかし正直なところ、人類絶滅を扱った作品はオチが難しいなと思ってしまいます。
「で、どうするの?」って、どうしても思ってしまうんですよね。
「2012」の状況よりかは、まだマシでしたが・・・

最後に、隕石の破片が降り注ぐ場面で富士山が噴火したら火山弾がこんな風に降ってくるんだろうな、とか想像して怖くなりました。
「日本沈没」の頃は起きたとしても遠い未来のことだと思っていたのに・・・(汗)
それと、夜の街や高速道路のカットが何となく冷戦が続いていた70〜80年代前半風に撮られていたような気がして、終焉をむかえる文明の断末魔が聞こえてくるようで雰囲気がありましたね。


P.S.
この後、「インディペンデンスデイ」みたいな巨大UFOが現れて、実は彗星は侵略兵器でした〜はい、残念!みたいな続編がもしあったとして・・・
ジェラルド・バトラーは出ないんじゃないかな(苦笑)
いやもしかして、エイリアン相手にノリノリで無双するバトラーが見られたりして(笑)


劇場(TOHOシネマズ海老名)にて