南フランスのアパートの最上階。向かい合う2部屋を借りて共に過ごすニナ（バルバラ・スコヴァ）とマドレーヌ（マルティーヌ・シュヴァリエ）はイタリアへの移住を計画していたが、マドレーヌは子供たちに告白できずにいた。ある日、マドレーヌは病に倒れ、家族の下で介護を受けることになり、2人の生活が失われてしまう。
高齢者の恋愛、しかも同性愛というユニークなテーマを、温かく切なく描いた良作だった。
実際、こういう高齢者は増えていくんじゃないかな。
まず、フランスはもっと同性愛に対して寛容でオープンかと思っていた。
きっと、マドレーヌは保守的な家に育って、保守的な家族を作ってきたから、あんな苦しい展開になってしまったんだろう。
けっこうサスペンスチックで、中盤は話がなかなか進まずイライラしたけど、戸惑う周囲をものともせずに想い合う老女2人が前に向かう終盤は、しっかり温かさが伝わって応援目線で眺めることができた。
行き場を失ったように見えても、幸せそうな2人の表情が堪らない。
あと、ドアの覗き穴からの風景が登場人物の怒りや焦りを際立たせてて巧かった。
ニナの焦りと失望は分かるけど、破壊行為はダメ！
