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事故物件 恐い間取りのよーだ育休中のレビュー・感想・評価

事故物件 恐い間取り(2020年製作の映画)
2.0
売れないお笑い芸人コンビ《ジョナサンズ》が解散。放送作家として成功しようと意気込む中井大佐(瀬戸康史)は《芸人が事故物件に住んで心霊現象を検証する》企画を提案。元相方の山野ヤマメ(亀梨和也)が事故物件での生活を始める。


◆ 自殺、病死、殺人。内見されます?

事故物件住みます芸人として心霊現象の検証を行う傍ら執筆活動を続ける《松原タニシ》の著書を元に映像化した作品。

事故物件に住み、そこで発生する怪現象を紹介していくという何ともバチあたりな企画を押し付けられた売れない芸人が体験する心霊現象が今作の怖いポイントでした。ホラーマジ無理勢の僕ですが、意外といけました。

縁起の悪い軒数の事故物件が取り上げられていましたが、四軒の事故物件に登場したオバケたちにトラウマ級のビジュアルの奴はいませんでした。致命傷になり得るジャンプスケアもかなり控えめ。一軒あたりの尺も限られているためか、ジワジワと恐怖を煽るような演出もありませんでした。ドキドキバクバクしながら観ていた僕が言うのもあれですが、これは夏の心霊特番のほうが怖いレベル。


◆ ×××××ソワカ!!

最後は幽遊白書や呪術廻戦と見紛うような霊能力バトルが突然始まりました。一軒目のアパートで遠巻きに此方を伺っているだけだった黒いフードの人影が姿を現すのですが、こいつが完全にネタ。ジャンプ漫画風に表現すれば《下級霊たち》の元締めのように描かれていますが、終始顔芸を披露しています。

下級霊たちも冷蔵庫で体育座りしてる小太りのお姉ちゃんや、屋根裏から出てくるおじさん等コミカルな姿形をしていました。緊迫したシチュからのギャップもあって、売れない芸人コンビのジョナサンズより面白いかもしれないレベル。

後味が悪い雰囲気の終わり方ではありましたが、オバケたちよりも《注目を浴び始めた途端に、親身になって心配してくれる根強いファンすら蔑ろにしてしまう芸人》の方が怖かった。なんちゃってヒトコワ作品だったのかもしれません。