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大空の闘士のaminのレビュー・感想・評価

大空の闘士(1933年製作の映画)
3.7
前半は電話が鳴って、事件を知り、右往左往するのが雨雪の中で何度も繰り返すので、少し単調な感じがする。現代と照らし合わせてしまうので、いやいや、全便欠航でしょ、とツッコミを入れてしまい、設定がなかなか入りにくい。後半、事故が起きて彼が助けに行く流れは良かった。『スティング』や、今なら『NOPE』などでも描かれている、やりがいがあるから困難に挑戦するという気概やプライド、生き様の貫き方である。人助けや同僚を大切にしたいなどの、善良な気持ちではないところが痺れる。あの場所には離着陸は不可能です、とアナウンスするリポーターのマイクに割り込み、しかめ面でブーイングするところが素晴らしい。子供っぽい行動だけれど、スカッとする。彼にとってパイロットは職業ではなく、生き方である。それは『ライトスタッフ』にも通ずる精神である。線で見ると、最後の作品『荒野の女たち』も職業としての聖職者ではなく、生き様としての聖職者を描いていたのだなぁと理解が深まる。『トップガン マーヴェリック』の5倍は尊く、粋で、撮影も素晴らしい。
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