ディズニーのピノキオとは全く違う、原作に忠実なピノ「ッ」キオの世界。
自分はディズニーアニメ版しか知らないが、ストーリーこんなに違うんやな、、、ピノッキオの誕生の経緯からして全然違うやんけ、、、
しかも舞台は、誰しもが顔を煤だらけに汚し、ボロボロの服を着て暮らし、朽ち果てた建物ばかりの世界。まだ統一が果たされたばかりのイタリアはあらゆるものが整備されておらず、貧しく危険な土地だったのだろう。
この物語は、そんなリアルな世界に突如生まれたピノッキオという無垢な存在が、モラルを守り、知恵を使い、労働を通し真面目に生きることで人間になるまでを描いている。ハリウッドのファミリー映画のようにテンポ良く展開するから、比較的観やすい映画だと思う。
しかし、その過程でピノッキオが出会う有象無象の姿を見れば、これは単なる子供向け映画ではないことがわかるだろう。子供の頃に観たら絶対トラウマになるだろうし、日本でこんなもの作って公開したら炎上間違いなし。個人的には、裁判官のサルとマグロの造形がツボ。特にマグロは、大好きな谷口崇の「森の安藤」の魚を思い出しました。青い妖精役の女優見たことあるなあと思ったら、マリーヌ・ヴァクトだったのね。
それにしても、「ゴモラ」を撮った監督とは思えない。リアリズムの映画とマジックリアリズムの映画を交互に撮ってるから当たり外れもありそうだけど、もう少し注目されても良い気がする。