櫻子の勝手にシネマ

プロミシング・ヤング・ウーマンの櫻子の勝手にシネマのレビュー・感想・評価

3.5
タイトルの『プロミング・ヤング・ウーマン』とは『将来有望な若い女性』という意味。

前途有望な女性であったニーナとキャシー(キャリー・マリガン)が、同じく前途有望な男性によって未来を奪われてしまう。
本来であれば加害者である男性が裁かれるべきなのに、「前途有望だから」という理由で男性の方を優遇してしまうアメリカ社会にメスを入れる…といったストーリー。

女性なら誰しも1度は“恐い経験”をしたことがあるだろう。
学校や勤務先からの帰り道、自宅マンションのエレベーター、満員電車、コンビニ、繁華街のしつこいキャッチ…etc
一歩外に出れば女性はそこら中に危険が数え切れない程ある。
それはどこの国でも同じ。何故なら『女』だから。

ミニスカートやショートパンツなど露出の高いファッションが好きな人は要注意だ。
自分の好きなファッションを楽しむのも結構だが、それに伴う危険を承知の上で楽しむべきだろう。
もはや自己責任で楽しむしかない。
私もミニスカートやショートパンツ、ベアトップなど好きなのでワードローブに必ず数枚あるが、部屋か海外リゾートでしか着ない。
間違っても街中では着ないアイテムだ。

幼い頃から両親に「一歩外に出たら絶対に油断するな。前だけでなく後ろも確認すること」と教えられてきた。
その教えのおかげか、人より警戒心が強く滅多な事では他人を信用しないので、今まで国内外共に危ない目に合うこともなく無事に生きている。
お酒も全く飲めないし。

女性なら決して他人事ではない本作は、観終わった後スッキリ爽快!という訳ではないが、それなりに楽しめると思う。
特にファンキーなファッションやメイクなどお洒落好きにはたまらない。
キャシーが働くコーヒーショップや、ライアン(ボー・バーナム)と一緒に訪れたドラッグストア、キャシーが両親と住んでいる家など、家具や小物、お菓子のチョイスがめちゃくちゃ可愛い。

Chali XCXの『Boys』をバックにダンスするオッサンの股間をアップで映すオープニングも良い。
他にもブリトニー・スピアーズの『TOXIC』や、パリス・ヒルトンの『Stars Are Blind』など、ポップなナンバーの差し込みも良かった。