しろみさかな

アンテベラムのしろみさかなのネタバレレビュー・内容・結末

アンテベラム(2020年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

やられました…。めちゃくちゃ騙されました。トリッキーで、うわぁ!やられた!って思える作品は久々です。もう一回見直したくなりました。
騙されたポイント、わたしはてっきりパラレルワールド的なものだと思っていました。生まれ変わりというか、前世の記憶かと。エデンとヴェロニカが同一人物であるだろうなぁとは思っていましたが、エデンである南北戦争の頃の前世と、女性活動家であるヴェロニカの今世かと思っておりました。終盤でそれが交わるのかなぁ…と思っていたら、まさかまさかの同じ時間軸だったとは…。脱帽です。やられました。ラストシーンの馬で走り去るスローモーションのシーンは、まるでジャンヌダルクだなぁと思いました。色んな意味で戦う女性の姿でした。
しかしながらツッコミどころもややあって。奴隷として仕入れてくる人たちの多さ。どっから連れてきたんだ?と。しかもこれだけの人が行方不明になっていたら怪し過ぎるでしょう。長く奴隷生活をしていそうな描写がありましたが、性奴隷等かなり無理があるかと。もし妊娠でもしてしまったらどうしていたのか。病気になったらどうしていたのか。冷静に考えたらややリアリティに欠けるなぁと思いました。
今思えば、ヒントがいくつも散りばめられていたなぁと思います。せっかく綿の花を積んだのに、山のようになった綿の花を燃やしているシーン。え、勿体無い!って思ったところでした。これは大ヒントでしたね。無意味な行為を続けているという、ヒント。奴隷、というおままごとをしているということだったのか…と。それから新入りの女性が、エデンにあなたのこと知ってる!と言った台詞もヒントでした。これは活動家のヴェロニカのことを知っていたのですね。そういうヒントがもっとたくさんあっただろうなと思います。もっかい見返してみたいです。
映画の構成がトリッキーで面白かったので、奴隷とか差別とかそういうのは置いといて、映画として面白かったです。是非。
余談、しかしながらこの手の作品は、一度目が一番面白いからなぁ…。一度目の衝撃がね。
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