よーだ育休中

ノエル クリスマスに生まれた奇跡のよーだ育休中のレビュー・感想・評価

3.0
英国ウェスト・ミットランズ州の小さな田舎町ポッターズグレン。嵐が迫るクリスマスの晩に産まれた少女には「周囲を笑顔にさせる」奇跡の力が備わっていた。

ーWishing you a very merry Christmas!


◆ Love is the miracle.
ーIt's the most powerful miracle in fact.

英国発の低予算ホリデームービー。英国の小さな田舎町ポッターズグレンの主要産業はなんとスノードーム。この設定、無理はありますが夢はあります。これだけでホリデームービーの雰囲気作りはバッチリ。

このスノードームを制作する陶器製造工場が倒産の危機瀕していました。町の主要産業であり、雇用の生命線でもあるこの工場を守るために経営層のみならず町長までも出張って奔走しますが、意外にもあっさりと買い手がつきます。

その買い手というのが同町出身の実業家であるMacKerrod(Robert James-Collier)氏。嫌われ者で嫌味なキャラクターとして描かれていますが、背に腹はかえられない町民たちのハートを非常にわかりやすい形(お金)で鷲掴み。しかし、この甘い話には裏があってーというのが大筋。


逼迫したシビアな問題を現実的・資本主義的・ビジネスライクに捉える大人達。対比するのは、奇跡・愛・友情、純真な気持ちで物事を捉える幼いけれどしっかりした子供達。「現実を見なさい!」「子供は黙っていなさい!」と押さえつける大人達が、子供達に助けられて子供達を承認するというありがちなプロットです。

ですが、クリスマスやサンタクロースの捉え方とどこか似通ったテーマは、ホリデームービーにぴったりハマっています。


◆ Love can be bad things good.
ーLove can bring people together.

どんなに険悪な場面であっても、周囲を笑顔にすることができる奇跡の力を持った主人公Noelle(Erin Galway-Kendrick)の母親は・・・言わずもがな、聖母Mariaと同じ名前です。産気づいた彼女は、ベツレヘムの星の下、納屋で彼女を出産しました。

冒頭でわかりやすくキリスト教的なエッセンスが散りばめられているのはホリデームービーにぴったり。制作陣の遊び心を感じます。

ラストにも素敵なサプライズが用意されていました。本作はご当地ラジオ番組のDJがナレーションを務めて進行させるパートがあるのですが、この進行役が英国出身のビッグネーム。作品の最後に素敵なホリデーギフトをいただきました。


ーHappy Holidays!