ボブおじさん

お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方のボブおじさんのレビュー・感想・評価

3.8
誰でも必ず経験することの1つに相続がある。通常は2回、結婚していれば配偶者の親の相続も含めて4回、場合によってはそれ以上経験するのに、いざ発生すると何をどうしていいかわからない人が圧倒的に多いのが相続だ😅

そうならない為に、是非ともお勧めしたいのが「お終活」。まるで葬儀会社の営業トークのようだが、経験した身としての実感だ。

終活とは、〝人生の終わりについて考える活動〟のことで、主に、自分の遺産相続、遺品整理の手続きに関する情報をまとめたり、葬儀やお墓についての希望や資金を用意する他、自分の人生観や半生を綴ったりするなど、具体的には人それぞれだが、基本は残された人が困らないように元気なうちに準備しておくということだろう。

自分はまだ先と思う方も親の終活のことは、どの程度ご存じだろうか?

熟年夫婦の終活にまつわる騒動を明るく描いたドラマ。結婚五十年になる大原夫妻は、夫が家にずっといることで妻が夫在宅ストレス症に陥り、熟年離婚寸前に。妻は娘から勧められ終活フェアに行き、前向きに今後のことを考えるが……。

〝亭主元気で留守がいい〟昔、防虫剤のCMで使われていたコピーだが、熟年妻の本音を上手く言い当てていると思う😅

夫は健康麻雀、妻は健康コーラスに通って趣味仲間にお互いの愚痴を言い合う場面は、夫婦それぞれからアルアル、ウチも同じの大合唱が聞こえてきそうだ。

だが、あることをきっかけに夫婦は、互いに同じ方向を向くようになる。

もう終活を始めている人も、これから始める人も、いやまだ始めるつもりもない人にこそ見ていただきたい映画だった。

夫婦役を橋爪功、高畑淳子の両ベテランが本当の夫婦のように演じている他、娘役を剛力彩芽、葬儀社の新人社員を水野勝が熱演。思った以上に面白かった😊



〈余談ですが〉
この手の終活映画で最も印象に残っているのが、砂田麻美監督が自らの父親の最期にカメラを向けたエンターテイメント・ドキュメンタリー。その名も「エンディングノート」。

この映画の中でも〝人間は生まれ方は1つでも死に方は様々だ〟という台詞があったが、人間としての死に様について考えさせられる秀作だ。