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いただきます ここは、発酵の楽園のjamのレビュー・感想・評価

4.3
かみさま
おとうさま
おかあさま
おいしいごはんをありがとう
いただきます


たっぷりと陽の光を浴びて
素足のまま、田んぼに入り
温かい土に触れ

地面にこぼれ落ちたお米の粒を
小さな指で集めて

おこめにはかみさまがいるんだよ

みんなの顔がきらきらと輝いて


オーガニック、無農薬栽培、ファイトケミカル…
近年、それぞれ注目されている健康を意識したキーワード

自然に還る

わかってはいるけれど、
自分にはできないなぁ、と眺める立場で

そうは言っても
毎日お腹は空くし、
食べたり、飲んだりしないと身体は動かない


興味のベクトルの方向が違っていた頃は
食べすぎると太る、それを怖れて栄養価無視で
カロリーの低いモノを選び
添加物など気にせずにいた


自分の身体の声に耳を傾けて
今、何が必要か 何を欲しているのか
そうすると自然に
食べる量はもとより、その質も
溢れるたくさんの食物のなかから自ずとわかってくる


このドキュメンタリーは
ほんとうに必要なものは何か
その選択をする時に助けてくれる、と感じ


酵素の力で、ふかふかの土から収穫した
丸々とした大きな人参を
一心不乱に丸かじりする女の子

父が11年かけて土壌を育てた"奇跡のりんご"を、
父と共に作り続ける娘のえりさん

彼女の「毎日しあわせ」という弾けるような笑顔

子どもたちの作ったたくあんが卒園式の引き出物のマミー保育園

みんな、しあわせ

だって
食べたものが、私になるから


エンディングの
宮沢賢治
"雨ニモマケズ"の詩が、こんなにも響く世界
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