去年も、一昨年も年間で370本の映画を観た。今年は公私共に忙しく、とてもそのペースで観れていない。ほぼ毎日ペースだったけど、観れない日の方が増えてきた。
そんな折、75分という短さに惹かれて鑑賞。
ラトビアで生まれ育ち、8歳からアニメを作り始めたという弱冠25歳(当時)のクリエイター、ギンツ・ジルバロディスが、3年半もの歳月をかけ、たった一人で全てを作り上げたという。
飛行機事故で唯一生き延びた少年は、森で地図を見つけ、バイクで島を駆け抜ける。黒い巨人に追われながら—— 。
アニメーションのタッチとしては、輪郭を縁取らず、クセのない、柔らかな感じ。
黒い巨人は命を奪う、死の象徴か。
身体の中身が透けて見えるし、「もののけ姫」のデイダラボッチの影響が垣間見える。
禁断のオアシス
鏡の湖
眠りの井戸
霧の入江
少年の旅は続く。
鏡の湖。
空が映し出された湖面を疾るバイク。
このシーンが何せ美しい。
鹿、鴉、狐、亀、象、山猫。
様々な動物が登場するが、巨人が通り過ぎると死んでしまう。
僕らは死から逃げながら生きているのか。
物言わぬ主人公の代わりに音楽が良い働きをしている。