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プリズン・サークルのaのレビュー・感想・評価

プリズン・サークル(2019年製作の映画)
5.0
加害者の被害者性。あまりに不条理な暴力を受けた人間がその傷を解消できず、どうしようもない怒り苦しみの中でまた次の暴力を生んでしまうのなら。彼らに対して必要なのは頑丈な檻に閉じ込めて犯罪者のレッテルを貼り非人間的な扱いをすることではなく、1人の人間として真に向き合いケアすることなのではないか?
暴力を生んでいる根っこが社会の歪みにあるのなら、それを煮詰めて凝縮したものを一心に受け止めてしまった存在に対する認識やケアの仕方を、社会全体でもっと考えていく必要があるって本当にそう。

そして劇中で触れられていた”聖域・サンクチュアリ”(=安心して自分の気持ちや言葉をありのまま表現でき、受け止めてもらえる安全な場)という言葉に泣けてしまった。”普通”に生きているように見えて、聖域のなさに苦しむ瞬間がきっと誰しもある。まずは自分が自分の聖域になり、そして誰かの聖域になれたなら。
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