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PERFECT DAYSのaのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
2.8
観終わって改めてポスターのコピーを見て慄いた。”こんなふうに生きていけたなら”って…。正直この作品をそんな風にありがたがってていいのか、よく分からない。

「どんな境遇にあっても人生に楽しみや喜びを見出することはできる」「ミクロの中にマクロがある(小さな生活圏の中で繰り返される日々の中にだってあらゆるドラマが内包されてる)」「不意に他者と心が通いあう瞬間」「自然や芸術や人々の営みを美しいと感じること自体の美しさ」ぜんぶ分かる、私だってそうあれたらと思う、同じようなテーマかつ手法の作品でパターソンは大好きだし。その一方で、酷い扱いをされても文句一つ言わず過酷な労働に励む姿や清貧な暮らしを、当事者でもなんでもない撮る側がやたらと甘やかに描いている(ように見える)ことや、主人公の感情がいくらなんでも去勢されすぎてる気がして、終始違和感と居心地の悪さが最後まで拭えなかった。写される公衆トイレが綺麗すぎるし、いくらなんでもそこにあるはずの辛さが排除されすぎている。
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