荒澤龍

1917 命をかけた伝令の荒澤龍のネタバレレビュー・内容・結末

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

<感想>
・ワンカット撮影を売りにしている映画でストーリーは期待していなかったが、様々な展開があり
途中からワンカットということを忘れて観入っていた。これがワンカットって理解が追いつかない。後半の戦闘シーンやスコフィールドが水に飛び込むシーンは圧巻。

・普段あまり戦争映画を観ないため「戦場ってこんな感じなんだ」と感じると同時に、戦争の1番の被害者は子どもだと思った。

・1917というタイトルからWW1を題材にしている、かつ戦争が終盤に差し掛かっていることを理解してみると物語に深みが出る。

<演出>
・ワンカットという性質上、絵がわりがかなり意識されているという印象。場面を切り替えやすいように背景が見えなくなるような工夫は技術だと思った。
・絵がわりだけでなく、音楽、撮影位置から飽きさせない工夫が凝らされている。
・序盤の動きのない映画の状況説明や動機の説明はあっさりとしている、ブレイクとスコフィールドの対立や絆なども歩きながら行われて、常に動いていることがこの映画においては重要なのだとわかる。

・冒頭で上位官がブレイクに話しかける、ブレイクがスコフィールドを連れて立つ、というシーンを入れることで、ブレイク主体の映画だと擦り込ませる。そうすることで中盤でブレイクが死ぬインパクトがより増しているのだと思った。

・独軍の撤退後の前線に侵入するシーンで、抜け殻の寝床に家族の写真が映されることで、敵軍にも大切な家族がいて必死で戦っているのがわかり物語に哀愁と深みを与えている。
・1917というタイトルからWW1を題材にしていることを前提に観るため、WW1の結末を知っており、それがイギリスが強気に攻撃に出る理由やドイツの哀愁をより高める効果がある。
荒澤龍

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