荒澤龍

一分間タイムマシンの荒澤龍のレビュー・感想・評価

一分間タイムマシン(2014年製作の映画)
3.8
・6分間でテンポが良く、ボタンを押して消える瞬間のリズムに気持ちよさがある。

・終盤に今度は女がスイッチを使い出す。男は女を口説くために16回死んだが、女は何回死ぬことになるのだろう。
・一度死んだら1回も2回も同じことだという考えになり死の重要性が減る。そしてより完璧な人生を求め出すだろう。でも1分しか時を戻せないとしたら、遠く過ぎ去った過去の後悔は「もっと早く気がつけば戻れたのに」という類の後悔に変わるだろう。それは一瞬一瞬に全力で取り組むというよりいかに後悔しないようにやり直すかという勝負になる。やがて「時を戻すほどじゃないかもしれないがとりあえずボタンを押しておくか」となるのが人間の性で、屍を重ね続ける人生になるのかなあという妄想。

・タイムマシンはどうしても憧れてしまうけれど、一度の人生で追い求めた完璧を愛し、不完全でも愛してくれる人に出会える幸せがあるのかもしれない。
荒澤龍

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