Maoryu002

スミス都へ行くのMaoryu002のレビュー・感想・評価

スミス都へ行く(1939年製作の映画)
5.0
最も好きな監督の一人、フランク・キャプラの作品の中でも一番好きな映画。
たった一人の常識にとらわれない善良な人間が、人々の心を動かし奇跡を起こせることを訴えた物語だ。

ラストなどはドラマティックに作りすぎかもしれないが、現代社会(80年以上前の映画だが)の寓話として夢と希望を与えてくれる。
ジェームズ・スチュアートはまさにアメリカの良心であり、その姿は虚像と言われるかもしれないが、こういう前向きな人間のドラマは必要だと思う。

主人公をとりまく人々がしだいに変わっていく様子がまた素晴らしい!
「我が家の楽園」でもジェームズ・スチュアートと共演したジーン・アーサーや、クロード・レインズ演じる悪人になり切れずに苦悩するペインも人間らしさを取り戻していく。
一方でフランク・キャプラ映画の定番悪役エドワード・アーノルドは超憎たらしくて笑えてしまう。

大好きなのがすっとぼけた上院議長役のハリー・ケリー。キャプラ映画には、この俯瞰して楽しんでいるキャラクターが良く出てくるが、これは監督自身か我々観客の分身ではないだろうか。

この素晴らしい映画を是非みんなに観て欲しい!
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