ビターチョコ

喜劇 愛妻物語のビターチョコのレビュー・感想・評価

喜劇 愛妻物語(2020年製作の映画)
4.5
タイトル通り喜劇。
笑った、笑った。
でもコメディじゃない、ぜんぜん違う。

あらすじ
若い夫婦がいて、女児が一人いる。夫は売れない脚本家で、年収百万円未満。だから妻がパートで働いている。女児は健康で明るいが平凡な子供。そんな家族が取材旅行をした。それだけの映画。

でもとても楽しかった。
だから高得点。

夫はスケベだが、変態じゃない。性的には普通の男性。妻は口が悪すぎるが、夫と別れるつもりはない。どうにかしたい。いつも喧嘩しているのは性格の不一致からじゃなく、お金がないから。恋愛して同棲して子供ができて結婚した二人だから、いまも結婚が続いている。二人に常識はあるようだが、店で(試飲OKの)ワインを盗んだりして、とても迷惑な夫婦のようだ。似たもの夫婦だ。夫はホテルで小便を撒き散らしても拭かない。とても迷惑だから、個人的にはとても嫌な男性だと思うし、ぜったい友人になりたくない。

そんな夫は売れない作家だが、脚本以外の仕事はしていない。毎日5時間とか働けばいいのに、何もしていない。何をしているかは描かれない。たぶん脚本以外のことはしたくないのだろう。

夫の脚本の仕事がお金になるかどうか、その判断は100%が他人。それも(プロデューサーなど)一人の気分次第で決まることがあるような感じだ、最悪だ。でも他の道を試そうとしない。最悪だ。夫には才能が無いらしい。だから万年金欠で、だから妻が怒る。でも離婚しない。どうしようもない。たぶん夫婦そろってかなりの馬鹿なのだ。仕方がない。

だけどこの映画は楽しかった。
馬鹿が近くにいると腹が立つ。
でもこれは映画だから、楽しいだけだった。

余談1
この感想を書いたあと、クリックして判った。女児は『3月のライオン』の女児と同じ俳優のようだ。

余談2
主演二人のことは、素晴らしく良いキャスティングなので、何も言うことがなく、だから書かなかっただけ。それより、ふせえりと光石研の夫婦の組み合わせが嬉しかった。娘役の若い女優さんも(白目をむいて、うどんをこねて)熱演だったが、誰かは知らない。