jam

少年の君のjamのネタバレレビュー・内容・結末

少年の君(2019年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

涙を流すのはどんな時だろうか

悲しい時や苦しい時、辛い時
怖い時も自然と流れてしまうかもしれない

この物語の主人公チェンも幾度となく涙を流した
自殺した同級生の亡骸にそっと上着をかけた時
そのことが原因で陰湿ないじめにあった時も
静かに、唇を噛み締めて
決して感情のままに叫んだりせずに
押し寄せてくる不安に立ち向かうように


そんな彼女だからこそ
シャオベイは守る、と誓ったのではないだろうか
限界にきている母との生活から抜け出すには
厳しい受験戦争を勝ち抜くしかないチェンと
親に恵まれず13の時から鎬を削る世界で生きるシャオベイ
互いに引き寄せられたのは必然で


二人の心が少しずつ寄り添って
涙で濡れていた頬に柔らかい温もりが戻る


世界を守りたい、と夢を語るチェン

君は世界を守れ
俺は君を守る

ヂォン刑事に二人の拙い工作は見破られ
覚悟を決めたチェンの頬に伝う涙は
それまでのものとは違うあたたかさにあふれて
厳しい状況下には不相応とも見える笑みさえ浮かべて


used to be
失ったものもあるけれど
彼と彼女が得たのは
かけがえのない絆
jam

jam