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ミッドナイト・トラベラーのtakehiのネタバレレビュー・内容・結末

ミッドナイト・トラベラー(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

「家族の無事を願います、、、」

おじさんの映画日記 ミッドナイト・トラベラー編 渋谷イメージフォーラムにて封切り当時の観戦

映画監督のお父さんが製作したドキュメンタリー作品がアフガニスタン、タリバンに目をつけられ、処刑宣告受ける。 女優の奥さんと幼い2人のお子さんを連れ4人で故郷を旅立ち難民となりました。
3年に渡る逃亡中の家族の悲喜交交をスマートフォンでセルフで撮り合い作り上げたドキュメンタリー映画です。

国では騙し、脅し、喧嘩、文句、拉致、誘拐、刑務所にぶち込まれたり、処刑、、日本では考えられないことが起きています。 
亡命生活は野宿したり、夜間逃亡したり、綱渡りでギリギリの旅は続いていきます。(難民を敵視する人もいれば支援者もいるんですね、複雑です)

静かにだけど不気味な重低音の音楽が鳴り出すとヤバイんだってわかりやすかったです、緊張感を高めて効果的でした。
辛い旅に心折れたり、苛立ち、泣いたり、その生々しい素の姿は家族同士で撮影しているから撮れたのだと思います。
闇空をただただ映している映像からどうにもならない現実感が伝わってきたり、幸せだった頃の家族映像が唐突にフラッシュバックのように編集されて、切なくなります。 果物泥棒(!?)を子供が手伝うシーンやお母さんの自転車練習シーン、家族で雪合戦したりと数々の印象的なシーンがありましたが、、
お姉ちゃんがマイケル・ジャクソン『They Don’t Care About Us』を動画サイトで再生しながら上手に踊り歌うシーンは特に心に残りました。
『奴らには僕らなんかどうでもいいんだ!』その歌詞が家族の現状にシンクロしていてびっくりでした。
そしてポップスが子供さんを楽しませている事が何か嬉しかったです。
(キング・オブ・ポップス!MJ!!笑)

難民の苦難を興味深く観せていただきました、家族は未だ亡命中という現実にも驚きます。
雑誌の記事からの情報ですがスマートフォンで撮影した動画データを定期的にアメリカのスタッフに送信して編集してもらい映画が完成したそうです、ネットとスマートフォンカメラの発達、、凄い時代です。

追伸 
そもそもなぜ処刑宣告を受けるようなドキュメンタリーを製作したのだろう?放送できたのだろう。 監督さんは後悔してないのか、、少なくとも関係した出演者とタリバン側にいた親友が既に処刑されてしまっている悲劇は重いです。

2021/9/30 4:13 yahoo映画に投稿
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