ToSh

ソウルフル・ワールドのToShのレビュー・感想・評価

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)
4.0
ニューヨークでジャズ・ミュージシャンを夢見る音楽教師ジョーは、夢が叶う直前にマンホールに落下してしまう…。彼が迷い込んだのは、ソウル<魂>たちが地上に生まれる前に「どんな自分になるか」を決める世界だった!そこでジョーが出会ったのは、やりたいことを見つけられず、“人間に生まれたくない”と何百年もソウルの世界に留まっている“22番”と呼ばれるソウル。夢のために地上での人生を取り戻したいジョーは22番に協力を求めるが…奇跡の大冒険を繰り広げる二人が、最後に見つけた<人生のきらめき>とは…?

主人公がジャズミュージシャンを目指している音楽教師なので、ジャズ系の楽曲が凄く良い。ソウルの世界で流れる何とも言えない不思議な音楽も凄く良かった。

せっかく掴んだ夢のチャンスを逃したくないジョーと絶対に人間になりたくない22番。そんな凸凹コンビの2人のやり取りに心温まります。

生きることを経験する22番の無邪気さ。
初めての歩行・音・光・嗅覚・触覚・・・生まれたての赤ちゃんのように様々なことに驚き、一つ一つ噛みしめていく、世界の一つ一つが全て新しいってどんな気持ちだろう。

人には生まれながらに与えられた使命があり、人生に於いて目的を達成することは素晴らしい。人生とは目的探しの旅だ・・・
そんな風に描き尽くされてきた人生に関する考察(または意味付け)を一旦リセットし、そもそも目的を達成できなくても、目的そのものを持ちえなくても、平凡な日常に感謝し感動することも、生きるという行為なのかもしれない。(もちろん自分だけの"きらめく"目的、夢も大切)

自分もきっと、"生きたい"と思い、願い、ここに来たのかなと、そう思うと生命はただそこに居てくれるだけで尊いと気づきます。

生きることに迷い疲れた時に観てほしい映画です。
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