たく

その手に触れるまでのたくのレビュー・感想・評価

その手に触れるまで(2019年製作の映画)
3.7
イスラム教に入れあげてるベルギーの少年が、狂信的なまでの教義への拘りからある問題を引き起こしていく話で、最後まで緊迫感あった。「あなた1ヶ月前までゲームにハマってたじゃない」って母親に指摘される場面があって、つくづく宗教とは恐ろしいと思った。
少年が一つのことに執着する点や、優しい大人の女性(先生)と少年の関係が描かれたり、果ては高いところに登るところまで同じダルデンヌ兄弟の「少年と自転車」に似てて、父親問題も「ある子供」など初期から続くテーマ。

ムスリムの礼拝の所作をちゃんと見たことがなかったので、最初の方で大勢で祈るシーンが印象的。潔癖症か?ってくらいしつこく手と口を洗うのも、アメッドの狂信ぶりを良く表してた。
全編緊迫感漂う中、施設で知り合う少女との交流シーンがオアシスだったね。原題は「若きアメッド」という意味で、「アメッドの目覚め」ってタイトルもアリかなと思った。邦題は宗教上の理由からアメッドが女性に触れられないことから来てて、なかなか良いね。
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