アキラナウェイ

パリに見出されたピアニストのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

3.6
4歳の頃、ピアノを習い始めたけど、先生の指導が厳し過ぎて、見ている親の方が耐えられず、即終了。
まだ片手でチューリップレベルだったのに…。

ピアニストにはなり損ねたけど、ピアノの音色は好き。
YouTubeを漁ってみたり。
それがたとえ名もなきピアニスト達の演奏だとしても、酔い痴れる。

パリの駅で、人々の雑踏の中でピアノを弾く青年。マチュー・マリンスキー(ジュール・ベンシェトリ)の奏でる音色に心奪われ、足を止める男。パリの名門音楽学校でディレクターを務めるピエール・ゲイトナー(ランベール・ウィルソン)は、彼の才能に惹かれ、国際ピアノコンクールの学院代表にマチューを推薦しようと心に決めるのだった。

貧しく、ストリート育ちのマチューは、地元の仲間と盗みを働く様な暮らしぶり。

およそ名門音楽学校には似合わない青年を一流のピアニストに育てようと躍起になるピエールは、彼のピアノ指導を"女伯爵"の異名を持つエリザベス(クリスティン・スコット・トーマス)に依頼する。

ドミソドミソドミソドミソドミソドミソ…!!
ちょっとツンデレ女伯爵。
クリスティン・スコット・トーマスって、本当に美しく年齢を重ねている。ショートがお似合い。

何かにつけ、ピエールやエリザベスに反発するマチュー。
彼にとっては千載一遇のチャンスの筈なのに、何故彼はそれを拒むのか ——。

…が、よくわからなかったのが残念。

貧しさと、亡き師への想い。
…なんだろうけど、マチューの内面についての掘り下げは浅い。

ぶーたれ顔でピエールやエリザベスにぶつかる割に、次の瞬間には音楽学校で知り合った彼女とイチャイチャしているので、キャラクターの切実さが伝わってこない。

プロットはありがちな王道のサクセスストーリーなので、もう少し心が震える程の絶望や悲しみが欲しかった。

クレッシェンド(だんだん強く)が足りない。
フォルテシモ(強さ)が足りない。

とはいえ、ジュール・ベンシェトリは素晴らしい演技を見せてくれる。ピアノを弾く時、彼の表情から感情が伝わる。ピアノを弾くシーンには惹き込まれるものがある!

父親が監督した「アスファルト」でデビューし、祖父も俳優という映画一家。今後が楽しみ。

もしも
ピアノが
弾けたなら〜♪

おっしゃ!今週も終わり!
焼肉行ってきます!!