夜行列車に乗ったカリート

ミッドサマーの夜行列車に乗ったカリートのネタバレレビュー・内容・結末

ミッドサマー(2019年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

アリ・アスター監督作。
田舎の妙な祭りに参加する若者の悲劇を描く。怖くないホラー映画。

家族が無理心中した主人公ダニーは、恋人のクリスチャンと友人で、田舎の祝祭に参加することにする。果たしてどうなるか…というストーリー。

傷心の主人公が参加した90年に一度の夏至祭。それは生け贄祭だった!という内容です。
こういう閉鎖的な村宗教に巻き込まれる話って物語モノでよくある話ですけど、それを真面目に映画化しちゃったのが本作です。見ていて楽しい映画ではないんですが、ショッキングな絵面と脚本で記憶に残ります。食人族を見た時の感覚に似ている。

村は明るくて朗らかな環境と、気の良さそうな村人が歓迎してくれる、極めて平和的なコミューンです。しかしそんな環境下で、突如として常軌を逸した残酷行為が始まる…という展開。そのギャップが妙な居心地の悪さを演出していて、ハッキリ言って本作の売りはこの落差一本でしょう。

祭には複数の行事があり、老人の身投げやら、姦通やら、生け贄やらが行われます。
あんな過激な宗教にも関わらず、その文化保存が村人全員の共通認識というのは、ちょっと分かりませんね。外の世界を経験している人間だっているし、「あれ、うちの村なんかおかしくね?」って思う奴たくさん出ると思うんですが…。そういう奴はみんな殺すんですかね。
そういった村宗教の憶測も含めて、なんか不気味だなぁというのが作品全編でゆったり流れていきます。

話の結末としては、ダニーは村に感化され、最後は絶望の果てに見る恍惚に達する…という内容。しかし、お祭りはまだ続きがありそうで、結局最後は殺されちゃうんじゃないでしょうか。まぁ分かりませんが。

脚本が面白いとか、ホラーとして優れているという訳ではなく、演出の斬新さや、平和→残虐というギャップで話題性が出た作品ですね。
内容的にはリアリティも薄く、儀式も悪い冗談のようで面白さを感じるまでには至りませんでした。
少し変わった映画が好きなら、見ても良いと思います。