ひるるく

DUNE/デューン 砂の惑星のひるるくのレビュー・感想・評価

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)
4.1
『今までの私の人生で見てきた映画の中で、実写とCGが最も滑らかに繋がっている映画だった』とクリストファー・ノーランに言わしめた作品。

膨大な原作は未読な私でもアトレイデス家とハルコンネン家の因縁と裏に蠢く皇帝の思惑、銀河を巡る三つ巴の戦いとティモシー・シャラメ演じるポールの成長譚と予知夢、おそらく物語の鍵となるであろうフレメンとスパイスの存在に焦点を当てた専門用語は多いが、話の主軸はシンプルな構成でストーリーに没入できました。

そして何よりも映像と音の凄さに圧倒されましたね。

ヨルダンやアラブ首長国連邦の砂漠ロケで撮影された砂の粒子の質感や自然光の美しさのリアリティとダイヤモンドダストの様に光るスパイス(ある意味香辛料的なドラック!?)のエフェクトの融合は時間を忘れさせるほど見つめていたいですね、まさにノーランの言葉通り現実とVFXとCGの狭間の境界を越える凄さに言葉を失います。

音に関しても従来からの人間や動物の声を加工した効果音の手法やハンス・ジマーの音楽により本能的な衝動に突き動かされました。

左脳より右脳を開放される心地良さ、まさにDon't Think.Feel!
な総合芸術たる映画の1つの局面の楽しさ!

個人的な推しポイントはスターウォーズを思わせるシールドの残像が揺らいでるエフェクトだったり、王蟲みのある大自然の脅威の象徴なサンドワームCGの大迫力、ナウシカの羽虫みたいなガジェットが砂嵐に突っ込むラピュタを連想させるシークエンスでしたね。

そして、あくまで個人的な感想として音楽にも表れてましたが、ナウシカでいうトルメキアとドルク、キリスト教圏とイスラム教圏の対立と融合といった現代にも延々と通じるメタファーも感じました。

フランク・ハーバートの原作に影響を受けたクリエーター達が作り上げた世界観だけに似てくるのは必然ですね、マジで原作が読みたくなってきました。

あとはそうですねぇ〜、キャラクター造形がバチッとハマる豪華キャスティングと俳優達の名演は言わずもがなでしょう。

PC視聴でこの感動ですから来週のPart2のIMAX視聴が楽しみでしかありません、これIMAXレーザーGT(理想はそうですが現実は地元の劇場で....それがたまらなく悔しいです笑)のフル画角なら冗談じゃなく感動のあまり動けなくなる体験になるかも。
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