映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ～失われたひろし～の枯井戸星のネタバレレビュー・内容・結末

異類婚姻譚を範にとったのだろうか、ところどころ素晴らしい展開があるが（コアラを抱き抱えるひろしが伏線になるところや、コアラをしんのすけが退治するところなど）、全体としては行き当たりばったりの感が強く、出来がいいとは言い難い作品である。
しんのすけの声優が代わって間もないタイミングの作品ということもあってか、往年の名作を彷彿とさせるモチーフが頻出する。たとえばひろしが姫側に寝返ったかのように見えるところなど、オトナ帝国を思わせるブラフだが、とにかく構成が弱いのであまりうまく行ってはいない。
その分、画的には見どころの多い作品。

序盤、ひろしの顔が若くなるところと、みさえがラインを使ってるところで泣いた。
ダンスバトルもいい。
全体的に、クレしん映画愛に満ちた作品で、つぎはぎ的には娯楽性が強くて楽しめる。

終盤も、感動させられはする。
「人生をかけて守りたいと思えるものが本当の宝だ」は、素直に名言だと思った。