このレビューはネタバレを含みます
「10代の頃に観るのが一番いい映画」と聞かされてみたのもあってか、たしかに自分の10代を想起させられる映画で面白かった。
ただ、それが母の不在であるとか、なよなよした父とかわりのナードで年の離れた恋人というふうに、図式的に説明できてしまうよくできた構成を持ってしまうがゆえに、若さという説明不能なそれはあまり撮られないので、(なんてことが書けるのは自分がごく恵まれた育ちの生意気坊ちゃんだったから、というのは自覚しつつ)、作品としてちょっと退屈なのではと思いながら見ていた。
が、家やアートだけではなくて、友情にも歳の差恋愛にも居場所がないというわりとラディカルな成熟観を呈示して終わるので(しかも嘲笑するわけでもなしに)、驚かされた。
この映画をよくある青春の苛立ちとして普遍化するのは、無理だろう。
最後の15分、あなたは必ず裏切られるーーみたいなコピーは、こういう映画にこそふさわしいのではないだろうか。
2人が同居しようとする住まいがめちゃ暮らしやすそうで嫉妬した。