このレビューはネタバレを含みます
*スコセッシ愛蔵版、ちょっと長めな文、注意
スコセッシのある部族インディアンと殺人について
原作デイビッドクラン
脚本エリックロス
脚本監督マーティンスコセッシ。
大好きな映画監督、マーティンスコセッシ。10代の頃、本を注文して 熱心にスコセッシ本を読むほどの好きぶり。
この監督は、何を考え、あんな表現をしてるかただ、ただ、知りたかった。
まず、めちゃくちゃの映画通。タランティーノどころじゃない、口から映画作品の数々がこぼれる人だった。イタリア 映画を紹介する番組かなんかで、あふれるほど作品を矢継ぎばやに紹介するスコセッシを見たとき本物をかんじた。
スコセッシは、体が小さい頃から弱くテレビでいろんな映画をみていたのが原体験のよう。
イタリア映画やギャング映画(アメリカのフィルムノワール )の知識は、ずば抜けた物が本や言動から透けて見えた。とにかくタランティーノどこじゃない、映画の猛者だった。それはヨーロッパ映画や日本映画もしっかり見ていた。だからこそ黒澤明の「夢」に出演できたわけだ。
んで、見進めると、全部が全部面白い訳ではない。めちゃくちゃ引っかかる「アフターアワーズ」みたいな作品もあれば、「ミーンストリート」みたいななんか馬鹿騒ぎの青春映画に犯罪物たした変な映画、デニーロ主役じゃねーじゃん、だまされたビデオパッケージ映画と「ミーンストリート」なんかは、あんまりなイメージ。だが、 ミーンストリートの冒頭の8ミリがかかり、ロネッツがかかるクレジットは、50回くらいみた。めちゃくちゃ格好良い。
最後なんで、神父さんと握手?って思ったけど。それは、スコセッシが神父になりたかったからね、神父がアイドルなんだと私は、踏んでる。
とにかく恐ろしいほどのスピード感覚と人間の悪俗性質の銭ゲバ、 麻薬ゲバを描いた前作にびっくりした。株を売る人を描いた「ウォールオブウルフストリート」
劇場で「グッドフェローズ」よりもフィルムスピードの早さ、編集の高速性にとにかびっくりした。話のモラル性ハザードの乱痴気ぶりも素晴らしかった。もちろんディカプリオの驚愕なジャックニコルソン化のような演技にもびっくり。
ていうかスコセッシ!70代なのにこのスピードはやっ!それがが恐ろしいと思ったのよね。映画スピード。BPMがはやい、速度がはやい!んで止まると馬鹿長いディカプーのジャックニコルソンショーのような映画だった。これは、褒めてます。
この人間性がイヤ、働きぶりがイヤ という意見をまわりできいた。が、こんなひと、 ウォール 街行ったら山のようにいる気がする、もっと悪行しながら、株 売買してる人いるとおもったけどね。
「グッドフェローズ」でも高速な編集やなあと思ったけど、完全においぬく馬鹿偶像高速ドラマだった。
いまだに、いまだにですよ、「アイリッシュマン」が見れてないから、腹立つ。〇タヤ独占レンタルを思い出した。
たぶんだけど数本除けば、ほぼみているスコセッシ。「エイジオブイノセンス」以外あと小品とかミュージシャン映画とかみてない。
「クンドゥン」とか音楽全く知らない「ザバンド」の「ラストワルツ」、ローリング・ストーンズの映画とかもいちお見てる、ヘビースコセッシ ファンです。
新作は、ディカプー、デニーロタッグで社会派系、インディアン系、上映時間200分越えで、あえて情報遮断。
SNSで、いちお、つぶやいたのは、
『この作品は、本来のスコセッシぽい作品じゃない。社会派は、あまり撮ってこないから。
あと珍しくスコセッシが脚本を書いてるという事、これ、結構レアかも!』
とつぶやく。
なかなか時間が合わせられなくて、ようやく午後のイオンシネマ新潟西さんにて上映前、レッドブル飲んで気合い入れてみてきた。
まあ、やっぱり、どうして、長いんですかね。アップルスタジオだから、配信専用、パンフレットなしみたいな。
206分。 ながいながいながい、これ、「ワンスアポンタイムインアメリカ」級でしょ!これがノーマルスコセッシじゃない。誤解しないでね。
老齢のスコセッシの、、へたしたら、遺作周辺の 渾身のやつだ!をわすれないでね。
アッという間なんてお世辞には言えない感は、アップルスタジオだからかな。
ニュースで休憩勝手に挟む劇場が出たとのこと。それもまあ、わかりますよね。規制も法律もないけど。
ちなみに原一男監督は、「水俣曼荼羅」でちゃんと挟んでたなあ。愛をかんじた。
スコセッシらしくない映画なんかな、と、みるまえは思っていた。社会派で、デニーロとディカプリオ スコセッシ組で共演初で、インディアンのお話でと前情報から推測。
蓋開けると、大河インディアンドラマ風、中身石油利権殺人事件3時間サスペンス豪華スコセッシ監督編という感じ。
みたことない 映画にみえて、所どころスコセッシ特有の持ち味、ディカプリオ・ デニーロが魅せる悪い持ち味腹一杯。
あと今回、デカプーもそうだけど、
デニーロ助演があるかも!ってくらい素晴らしい、イヤラシイおじいさんだった!
いかにもいそうなアメリカン権力者。町の重鎮、善悪取り締まりだ。
冷静にあいつヤレよ!悪いことな!悪い恋なという役。ディカプリオのオスカーよりデニーロの助演男優賞を予想します。
本作のポイント、アメリカのインディアンを描いている事だ。今までほぼ描写されてない先住民族を描いている。被害者の側面だが、。
開拓者とインディアン、そこに石油の利権が絡む。そこにロバートデニーロが巧みに町の権力者として指示を出しまくる。
本当のインディアンの人にみえたリリーさん。
リリーグラッドストーンの無垢なインディアン 女性の立ち振る舞い。リリーはインディアンの何かをすでに演じていたのかな?Wikipediaより。
インディアン独自の着物が沢山でてくる。なんか古着で インディアンが書いてある あったかい羽織りものを若いとき着てたなあ、古着だけど暖かかった。インディアンが着てる、衣類やマット、装飾品など必見。 へたしたらどこぞの雑貨店でばか高い値段で売ってる衣類が散見する。あと車にぶら下げてるアクセサリーとかね、インディアン系車内の人いたきがする。
音楽は、ロビーロバートソン。度々スコセッシと音楽担当。 ザ・バンドのメンバーだ。
「ラストワルツ」でライブを撮影したのがスコセッシだ。このロバートソンが インディアン系の家系で、 独特のインディアン音楽が流れていた。
今回はやいはなし、ディカプリオがインディアンをだます話だ。
今回 なにかと顎をしゃくる顔します。必見、。
「ゴッドファーザー」のドンコルレオーネばりにやるディカプリオ。決め顔、むかつき顔、怒られ顔でやる感じ。
ディカプリオみながら、これ思いだしたよね。
マーロン・ブランドのこのコルレオーネアプローチね。こちらは特殊メイクだけどね、、。
ディカプリオ、オスカーの呼び声高いのもわかります。頼りない、殺人をやらされる抜けた男を演じている。
インディアン女性とひと山あてたいダメ悪いディカプリオをみる映画だ。
やはり、スコセッシのなかでは、全然好きじゃない部類の映画ではある。「沈黙」とか「クンドゥン」とか「最後の誘惑」系の映画なんで、DVDで見返して楽しむかっていったら、違うわけな映画だった。いわゆる、硬い映画、スコセッシ的には挑戦した映画になってる気がした。だがかなりの力作にはなってる。
みながらある意味、今村昌平の「 復讐するは我にあり」にも 見えた。全然違うけど。話の系統は、ひとやまあてるヒューストンの「黄金」だし、油の話だとPTAの「ゼアウィルビーブラッド」にまあかすってるのかなと。
さて
スコセッシのインディアン女性とディカプリオについて
スコセッシのある部族インディアンと殺人について
スコセッシファン
ディカプリオ、デニーロファンは
ぜひ!どうぞ!
フィルマ版追記
大好きなスコセッシだけど、いつもと違う特盛りで、作風違うから書くのに手こずったのが、本音。だけどスコセッシ、やりきった感は、あるんじゃないのかな?!(「アイリッシュマン」みてないけど、しつこいけど。)なんかSNSで娘さん?孫さん?とかとおどける姿みるけど、それより何より痩せてるから心配?!
インディアンをこんなにみつめたのは、初めてなわけで、西部劇とかじゃないとみれないもんね、そこが力作でもあるよね。ある意味アメリカの歴史話だし、インディアン話だから。
そしてあの顎出しディカプリオのポンコツキラーを見るという映画ね。過剰さに拍車かかってます。オスカーいくかもですね。私的はデニーロ助演男優賞だけど。
油の利権てやはり血なまぐさいんですね。怖い怖い。これみると。
あのインディアンの方々が羽織ってた厚手の掛け物が欲しいです。
私的にはスコセッシにごりごりな「グッドフェローズ」のようか若手起用の作品撮ってほしいけど、。
間違いなく老齢なのに映画みると特濃な歴史大河殺人物を撮りあげたスコセッシ、ますます好きになりました!
「ケープフィアー」ブルーレイ買おう。