どーもキューブ

乱れるのどーもキューブのネタバレレビュー・内容・結末

乱れる(1964年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

成瀬巳喜男監督、とあるマーケットの恋

*一旦消して再レビューになります。以前「いいね」して頂いた方、誠に申し訳ございません。


1963年作品
脚本松山善三(オリジナル脚本。テレビドラマが先に作品化)
監督成瀬巳喜男



以前のフィルマークス投稿したレビュー。かなり思い出しレビューで、見た後の印象のみを書いたつもり。最初に成瀬巳喜男を認識した作品だった。

『ラストシーン予測可能な衝撃。 成瀬監督の悲しいラブドラマ。 今作のラストの為に温泉街の舞台をカメラ内に納める努力を行い舞台を設計。

ラスト我々を呆気なくつきはなす。
加山の素直で子どもっぽいかんじ。
高峰の淡い思いと断ち切れぬ義理の兄弟関係。  
有り得ない設定。
ラストの筆致しがたい素晴らしさは黒澤、小津より溝口テイストに近い。ありえない恋愛の設定でこれほどラストの素晴らしい作品はない。幾分高峰の態度でラストの大方の予想はつくのだが、高峰の階段をおりゆく先の結果を見たあの表情こそ、映画の素晴らしさそのものだ!≪2008年11月レビュー≫

追記
成瀬監督の1番のある意味ラブサスペンス。
ラストの素晴らしさは、溝口テイストに近い。
私が四大監督の巨匠監督で1番好きな成瀬巳喜男。その素晴らしさが本作にある。
物語はわりとぐずぐずしたラブ物語が展開。わりと予想できる次の展開。
この中盤から終局を迎えるこの不安。
なにかプライベートで起こりえる、
なんか嫌な事起こりそう
なんかマズいこと起こりそう
というモヤモヤしたマイナスの心情を見ていると抱えるのだ。このデコチャン、加山に。ラストは、カメラワークを決める為、舞台設計を創設。まるで流れはてた先の成瀬監督のラストの感慨に私は、たまらない無情を感じた。心は完全に成瀬』

久しぶりに見たかったシリーズ。い
わゆる積みDVDを見てみるやつ。前がホラーだったので、ゴリゴリのメロドラマが見たくなり、エックス(ツイッター)で高峰秀子のSNS語録も見ていた。

東宝DVDみてみた。



冒頭流行歌が流れるトラックが町を走る。スーパーマーケットの特売情報をアナウンスしている。その通りに高峰秀子がいる小さなお酒屋がある。そのお酒屋の恋の物語だ。

遊んでばかりの加山雄三、店を建て直した高峰秀子

見ていくうちに、スーパーマーケットと小売り店の価格競争を卵1個いくらで言い争うシーンが出てくる。

最初に加山雄三の登場シーン。キャバレーで卵の早食い競争をするスーパーマーケット連中。そこに加山雄三が

「そんな馬鹿な事するなよ!」

とカウンターから恫喝絡み。なんだあの小売り店の奴か!と喧嘩がはじまる。スーパーマーケット連中に藤木悠。

加山雄三が高峰秀子に喋るときは、馬鹿を言う。甘えてきいて欲しいかのよう。

海外ジャケット yearning=切望、つよくのぞむと題名がついていた。


スーパーマーケット問題
酒屋のなりたち
高峰秀子の結婚問題
加山雄三の告白
スーパーマーケットにする問題
告白拒否、家を出る
電車
宿


 【メモ】
義理の姉さんに恋する弟
高峰のお見合い、拒否
加山の恋人 、浜美枝が好演、軽~い女子大生役 でびっくり
弟はのらりくらりと遊ぶ、姉さんといたいから、つまり好きだと。
よくない、許されないと告白を拒否
店の為に犠牲になったと家出
電車に乗る加山
近づく加山、受け入れる高峰(このシーン 秀抜)   
高峰が涙、電車は温泉地で降りる
抱きつくもやはり拒否
酒を飲む加山
ラスト朝事故が起きる
簡単にざっくりプロットは上記。

冒頭から喧嘩して、なんだか不穏。
加山の麻雀相手が自殺して、中北千枝子が泣きじゃくれる。スーパーマーケットの台頭、負ける小売り。
加山 はスーパーマーケット業に乗り気で、働く。
高峰のお見合い、拒否
高峰は、告白を機に出て行く。

勿論、告白を受け入れる、セックスすれば言いわけだが、乱れる心は、拒否してしまうんですよね、それが、なんだか中盤あたりからイヤな予感に包まれる不思議な不安に包まれる。 

なんか、変な事にならないかと。ラストが、唐突すぎるかもしれない。だが、カメラワークや、セット を改造 して高峰の走りと死体を同次元でおさめたいという努力していたと書籍で読んで、やはり成瀬監督の凄味を感じた。
ラストの乱れるをみる映画なんですよね。

ハッとした女性のサスペンスに包まれた表情を見る映画。

高峰秀子とタッグを組んだ成瀬巳喜男監督の素晴らしい瞬間のラストです。

そこに死が存在するラストなんです、それも素晴らしく劇的な瞬間で映画は「終」を告げます。


さて
高峰秀子の乱れラブストーリー
是非ご覧ください!


 フィルマークス版追記
普通ラストみたいな展開あったら、
ぎゃあ~
ひゃー
キー
と叫んで、にげたり、走ったり、泣きじゃくったりするもんなんですけど、

成瀬巳喜男は違うんですよね。

ものすごくさらりとしてます。
下ネタも血が吹き出るのもありません。
淫らな描写もセックスもありません。

あくまで、乱れるは、高峰秀子と加山雄三の告白で、そこにスーパーマーケット問題が挟まれ、ラストはその恋の結末を魅せてくれます。

死を魅せる

というのは、映画の特徴、特性だと思ってるわけなんです。
この映画をみた時、あ~さすが成瀬巳喜男、成瀬監督なんだなと、深々と思ったんです。

ラストの為にある、映画というかね。
品のあるサスペンスというか。

まあ二時間ドラマじゃん、こんな感じと思われるかもしれない。

高峰秀子をいかに撮りあげるか?!
成瀬監督は尽力されたんですね。
いまだに「浮雲」が理解できないんですが、。

演出は熱心熱中指導とは真逆の冷淡な感じと高峰秀子のコメントや成瀬本には書いてあります。だからこそ高峰秀子との多くの作品が生まれたんだろうなと思ってます。

あと東宝さんが!ようやく成瀬巳喜男監督全作をソフト化してきているので、嬉しい限りです。ありがとうございます。
またそちらもみたらレビューしたいです。


追記2
「女が階段を上がる時」
「めし」
「くちづけ」
をDVD持ってるのでみたら再レビューしたい。あと「浮雲」ね。
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