Maoryu002

砂塵のMaoryu002のレビュー・感想・評価

砂塵(1939年製作の映画)
3.5
ボトルネックの町は詐欺師ケント(ブライアン・ドンレヴィ)とその情婦フレンチー(マレーネ・ディートリヒ)が意のままに操り、保安官も行方不明になってしまう。そこに副保安官としてトム・デストリー(ジェームズ・ステュアート)がやって来て、暴力に頼らずケントを追い詰めていく。

変わり者が悪を倒し町を変えるという、ジェームズ・ステュアートにぴったりな西部劇。
ヴィランに「ボー・ジェスト」「死刑執行人もまた死す」のブライアン・ドンレヴィ、クイーンがマレーネ・ディートリヒという配役も盤石。

銃を持たない保安官代理デストリーが熱意と頭脳を使って敵を追い詰めていく流れが面白くて、途中まではかなり引き込まれたんだけど、終わってみれば暴力には暴力!
せっかくのスマートな流れが、まるで全米ライフル協会協賛かのような派手な撃ち合いになってしまった。
黒人とアジア人の扱いも呆れるほどひどかったなー。

フレンチーという、ちょっと寂しげでひねくれたキャラクターも、ディートリヒの歌も良かったし、飲んだくれウォッシュやズボンが欲しいボリスがしっかり笑わせてくれたんだけど…

バタバタと死んでいくなんとも悲しい展開に、ハッピーエンドもなんだか虚しく感じてしまった。
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