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エミリヤのharukapiのレビュー・感想・評価

エミリヤ(2017年製作の映画)
3.5
1972年頃、リトアニアでナショナリズムが高揚している時期。ソ連当局による弾圧や検閲に抵抗する市民や芸術家たち。演劇を通して、リトアニアが置かれた状況や団結を示すようなメッセージを送るっていうのは、まさにこういうかんじだったんだろう。やっぱりリトアニア行ってみたいな。
おっさん何者なんって思ってたけど構成がよかった。パルチザンについてもっと調べなくては。ぞっとするようなスパイ活動をしてるくせに、自分も盗聴されてないか疑心暗鬼になるかんじに『善き人のためのソナタ』を思い起こした。1951年とは状況が違うんだよって同僚の言葉がこれまた重い。

カメラワークとかシナリオにちょいちょいイマイチな部分もあったけど(たまにぎょっとする色恋沙汰。メロドラマみたいになってて疑問な部分もあった気が…。あと合成?っぽいシーンも微妙)、伝えたいメッセージとか最後の演劇シーンはすごく良かった。
エンディングの音楽は良かったけど、他の部分の音楽の入れ方がちょっと微妙だった、うるさすぎるし大袈裟すぎる感もあった気がして、もったいない。エンディングは“Ar tesi tas?”で翻訳的には“あなたはそれでどうするの?”てかんじなのかな。

でも間違いなく観られて良かった作品。
演劇部分を普通に観てみたい。
永遠に自由でいて、リトアニア
すべての者に正当で善良であれ
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