harukapi

サントメール ある被告のharukapiのレビュー・感想・評価

サントメール ある被告(2022年製作の映画)
3.0
実際の裁判証言記録をセリフに使っているらしい。「人生をシンプルにするため」に、生後15ヶ月の女児を海に遺棄し幼児殺害の罪で裁かれる母親。彼女はセネガルから渡仏してきており流暢なフランス語を話す高学歴女性。自分よりも20歳以上年が離れた既婚男性との子どもができて葛藤のうちに罪を犯している。
彼女とは別に母親との確執を抱えた大学教授(作家?)が裁判傍聴するなかで妊娠している自身が母親になれるのかと葛藤する姿も描く。全体として裁判は興味深かったけど、傍聴している女性の葛藤がいまいち入ってこなくて、うーんというかんじだった。
子どもに母親の細胞が入り込むだけでなく、母親にも子どもの細胞が入り込んで、神話に出てくる"キマイラ(キメラ)"という生物になっているのだという弁護士の演説は秀逸だった。わたしは今妊娠中なのでジーンときたけど、このシーンへの入り込み方は男性には難しいだろうなとも。
harukapi

harukapi