CHIPOCO

ピラニアのCHIPOCOのレビュー・感想・評価

ピラニア(1978年製作の映画)
3.5
えー、残念ながらこの映画にはピラニアより頭のいい人間は出てきません。
主人公の2人は研究施設から生物兵器を放流しているにも関わらず態度が横柄です。
途中から正義感が湧いてきたのか、特攻作戦を行いますが、そもそも論お前らのせい感が否めませんし、降って湧いてきた工業廃水による殲滅作戦は完全なご都合主義です。
バカな探偵の女に飲んだくれのプータローが主人公一派ですが、倫理観が全くと言っていいほどありません。
不法侵入はするわ、危険な生物を河川に流すわ、ピラニア研究の博士を殴って拘束するわで登場から悪行に枚挙に暇がありません。
とりわけ、死んでピチピチのお爺さんの死体を警察に届けず勝手に埋葬しようとするのはどうかと思いました。78年当時って死体遺棄とか言う概念がなかったのでしょうか。
出てくる女性たちはみんな脱ぎ上戸です。どうにかして画面に乳を出そうと画策してきます。
ピラニアの脱走は、軍の過失であるため、主人公2人は戒厳令のため監視下に置かれます。
見張り番に探偵の女が色仕掛けをして気を引くのですが、空を指さして、「あっ、スーパーマン!」と叫んだと同時にブラウスをどどんとおっ広げます。全く乳をまろび出した意味がわかりません。
軍関係者も、軍属に関わらず分譲地でボロ儲けを画策する悪徳レジャー施設に出資している大佐と、なんの役にも立たなかった淡水魚の専門家の女博士だったりバカしかいません。
あの女博士とピラニアを開発した博士の匂わせは一体なんだったのでしょうか。全くの無駄です。
今作は、恐怖の元、ピラニアの全貌を拝むことは基本できずに、魚影と歯型、血飛沫を交えた水中カットを経たら明らかにマネキンの死体が完成します。
そこが怖さというよりおふざけに邪魔が入らないような配慮なのかな、と考えてしまいました。

以上の点から、全く真面目にホラーとして見せようとしていなく、コメディ色強めで観客に飽きをこさせない作りをしているのが、監督ジョー・ダンテが「グレムリン」を製作していく序章の片鱗を物語っています。
ピラニアがギズモという圧倒的なアイコンキャラクターにすげ替わった上でブラッシュアップしていたのだな、と納得してしまいました。

あと、個人的に、主人公のプータローの元嫁との間の娘が、ムカつくサマーキャンプの先生の写真を的にダーツをしているのがアリスクーパーみたいでよかったです。
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