金の鍵 ブラチーノの冒険を配信している動画配信サービス

『金の鍵 ブラチーノの冒険』の
動画配信サービス情報をご紹介!視聴する方法はある?

金の鍵 ブラチーノの冒険
動画配信は2024年5月時点の情報です。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
本ページには動画配信サービスのプロモーションが含まれています。
目次

金の鍵 ブラチーノの冒険が配信されているサービス一覧

『金の鍵 ブラチーノの冒険』が配信されているサービスは見つかりませんでした。

金の鍵 ブラチーノの冒険が配信されていないサービス一覧

Prime Video
U-NEXT
DMM TV
Rakuten TV
FOD
TELASA
Lemino
ABEMA
dアニメストア
Hulu
Netflix
クランクイン!ビデオ
JAIHO
ザ・シネマメンバーズ
スターチャンネルEX
みるアジア
WOWOWオンデマンド

『金の鍵 ブラチーノの冒険』に投稿された感想・評価

青二歳

青二歳の感想・評価

4.4
ロシア版ピノキオというと真っ先にストラヴィンスキー作曲“ペトルーシュカ”?と思いますが、直球にピノキオまんまの作品があるようで…
ソ連時代58年製作、ロシア版ピノキオ“ブルチーノ”のアニメーション作品。翻案と言っても“ピノキオ”原作と大体同じというかパクr…げふんげふん。ロシアの子供たちは“ピノキオ”以上にこちらの児童文学に親しんでいるようです。
ただラスト、人形のブルチーノが人間にならないという点でオリジナリティがありますね。ここは確かに興味深い。人間になるのが即ち幸福とは限らないわけです。あくまでブルチーノは人形であるという事で見えてくるものがあります。
またブルチーノの冒険する森はロシアらしい空気感がある。ちゃんとロシアならではの世界観に消化されているというか。さらに言うと、劇中の人形劇がペトルーシュカを思わせる…いやそれはただのバレエ脳と否定しようとするも、やはりペトルーシュカにしか見えん。この道化人形を始め人形劇の人形たちが話の中心に置かれているのがいいですね。ブルチーノが道中出会うサブキャラは道化人形以外もみんな魅力的。フォーキン版でもベジャール版でも、ペトルーシュカを鑑賞した事がある方は特にロシアのかおりを感じるはず。
“オズの魔法使い”の例もあるし、ついパクリじゃんなんて思ってごめんなさい。執筆の経緯はパクリだろ!としか思えないけど、これはこれで立派な翻案です。面白かった。ブルチーノはピノキオのように人間にならんと苦しむ事はない。あるがままに人に愛され、人形は常に人とある。

アニメーションについて言えば、このころのソ連アニメはディズニーを強く意識しているので(日本も同じ頃東映がディズニーを意識して商業的長編アニメーションに手を伸ばす)、かなり丁寧に作り込んだ出来栄えです。リマスターして欲しいくらい。特に音源はもう少しどうにかならんか…ロシアアニメらしく音楽が洗練されているしバリエーション豊かで好きです。
ニワトリの呼び名がトリガラだったり、出てくる地名がアンポンタンの国だったりネーミングがすごい
 なんか最近ピノキオが話題になったので、ロシア版ピノキオをば。原作はかの文豪トルストイ……と同姓同名の赤の他人が1936年に書いた童話で、『ピノキオ』の翻案というと聞こえはいいが、要するにパクリである。といって貶したいわけではない。著作権の考えが普及するのは比較的最近だし、国によっても違うわけで、世界中こういった事例には事欠かない(というか現代でも腐るほどある。さすがに訴えられない程度の差別化はしているが)。
 
 ストーリーは本家本元と同様、自分で話して動ける人形ブラチーノ(ピノキオ)が孤独な老人の家で誕生し、学校へ行くはずが人形劇へ行き、悪党の主人に捕まり、悪党のキツネとネコに騙され……といった序盤の筋はほぼ同じだが、次第に話は『ピノキオ』に負けず劣らず奇想天外な方向へ転がっていく。ブラチーノは捕まったり、逃げたり、戦ったりして、最終的に仲間とともに悪役を成敗する。この点は『ピノキオ』より常識的な結末だが、面白いことに本作ではブラチーノは最後まで人形のままで、老人と一緒に芝居小屋を繁盛させる。
 また、作中の「アンポンタンの国」なる悪夢めいた場所も興味深い。奇怪な住民たち、理不尽な命令をする兵士たち、そして腐敗した総督。童話ながら、官僚的なポジションやその腐敗が描かれるのが、お国柄というか何というか(悪役がブラチーノを捕らえてもらうとき、総督が靴を脱いで差し出すと、その中に札を突っ込む)。正直これソ連のことじゃないかと思ってしまうのだが……。
 
 この時代の大半のソ連製セルアニメーション同様、アニメーションやキャラクターはディズニーの模倣の域を出ていないが、それでも現れる国ごとの違いを楽しむことはできる。以前レビューしたように、時代が下れば『ゾールシカ(シンデレラ)』や『人魚姫』のように、芸術的にも明らかにディズニーと異なる作品が現れてくる。