このレビューはネタバレを含みます
60点
「消えるのが得意」なマジシャン。彼はアシスタントで恋人ルイーズを残し、消える。
彼の子を妊娠していたルイーズは精神病院でこっそりと男の子を出産。エンジェルと名付ける。
が、彼は透明だったゆえ母ルイーズ以外の人間には認識されることはなかった。
母ルイーズから言葉や読み書きを教わりながらスクスクと育つエンジェル。
また思い出の「湖」を語り、「水の中を泳ぐこと」の楽しさ、魅力を語り、エンジェルは興味を持つ。
そんな中。
エンジェルは病院の向かいの屋敷で療養する盲目の女の子マドレーヌと出会う。
かくれんぼをしたりと毎日の様に遊ぶ。
マドレーヌは匂いや気配、視線でエンジェルの存在を認識できる。
エンジェルにとってマドレーヌは母以外の初めての「理解者」という存在だった。
時は流れ。
10代となった2人。
恋心が芽生え、互いになくてはならない存在となって行く。
そんな中。
唯一の生きる希望だったエンジェルが親離れしてしまい精神病が加速して行く母ルイーズ。
そんな中。
マドレーヌは目の手術を受けるためこの場を離れる事となる。時折、看護師に書いてもらい手紙を送ったマドレーヌに対してエンジェルは返事を書かなかった。
目が見えるようになれば逆に自分の存在が消えてしまう。エンジェルはマドレーヌとの別れを覚悟し、泣いて過ごす。
そんな中。
ルイーズ死去。
「湖のほとりの小屋に隠れなさい」という言いつけを守り、列車で小屋へ。
数年後。
20代となったマドレーヌが屋敷に戻ってきた。
なんか気配はする(エンジェルは近くにいて風呂とか覗いてた)が、どんなに探してもエンジェルは見つからなかった。
マドレーヌは病院から聞いたルイーズの墓にエンジェル宛の手紙を残した。
それからもエンジェルはマドレーヌを覗き見。たまらんくなって母の墓に手紙の返事を置く。
「目を瞑った状態」なら会える。と。
マドレーヌはエンジェルに会うため「目隠し」して、「プレイ」する。
数日後。
エンジェルはマドレーヌを小屋に招待し、その夜、正体を明かす。
透明人間だと知ったマドレーヌは戸惑いのあまり泣き崩れてしまい、泣き疲れて寝てしまう。
翌朝。
目を覚ましたマドレーヌ。
枕元に手紙に気づく。
エンジェルは「自分を記憶から消して、幸せになって欲しい」と手紙で伝えた。
翌日。
マドレーヌは屋敷を後にしようとした。
が、エンジェルの存在を感じ(幼き頃のかくれんぼを思い出し)、小屋へ。
隠れていたエンジェルだったが足を滑らせ、水中に落ちてしまう。
湖に飛び込んだマドレーヌはカナヅチエンジェルを引き上げ人工呼吸。
息を吹き返すエンジェル。
もう離れないとマドレーヌはエンジェルに伝える。
屋敷での生活が始まり、マドレーヌは妊娠。
そして透明でも、盲目でもない子が生まれた。
その後。
エンジェルの利点を活かし、2人はマジシャンを生業とする。
そして。
以前母ルイーズが語っていたかのようにマドレーヌは湖で「泳ぐ楽しさ」をエンジェルに見せた(全裸泳ぎ。ニルヴァーナの「ネバーマインド」のジャケットみたいな感じで)。
終
というお話。
短いのでサクッと観れます。
が、何だか奥が深い。
普通母ルイーズの母乳飲んでたら喉を通る母乳と胃に溜まる母乳が見れるはずだけどあれは「出てなかった」とも取れるね。
だから母ルイーズが精神病ゆえ、エンジェルはホントは存在してないのでは?
てなるし、マドレーヌも然り。
「気配を感じる」てのは普通に本能だしね。
「存在」てのは結局その程度のものでしかなくて「認識してくれてる人」がいるってことがどれほどデカい事なのかてのがテーマな印象。
美しさとエロさと何か生々しく感じた。
さすがおフランス。
てか普通に裸族なエンジェルが色々とヤバい。