ガブXスカイウォーカー

センセイ君主のガブXスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

センセイ君主(2018年製作の映画)
3.8
TVドラマ『ピュア!〜一日アイドル署長の事件簿〜』(2019年)、『タリオ 復讐代行の2人』(2020年)などの浜辺美波のコメディ演技がおかしかったので今作を鑑賞。

一言で言って、浜辺美波と竹内涼真の魅力、大爆発。
浜辺は何度振られても常にポジティブな女子高生を怪演。美少女であることをかなぐり捨て、これでもかと変顔のオンパレード。普通の顔のカットは1割もなく、画面狭しと暴れまくり、笑わせてくれる。スゴいよ、この子! 当時、全国の浜辺ファンはどのような心境で今作を鑑賞したのであろうか? 
一方、竹内は『仮面ライダードライブ』(2014~2015年)から男としても役者としても成長し、クールなイケメン教師を好演。セクシーオーラを放ちまくる。
まさに最高の凸凹カップル(?)である。

更に感心したのはオシャレな映像だ。「ここはどこの国だ?」と言うくらいに、舞台となる学園(ロケ地・神戸女子学院大学)も、町の風景(三田市や神戸市らしい)も、竹内の家も、浜辺の部屋も、洗練されている。二人が幾度となく会う、牛丼屋(ロケ地・すきや桜新町店)でさえもロマンチックに描かれる。今作はただのドタバタではなく、かつてのトレンディドラマをも彷彿とさせる恋愛学園コメディに仕上がっているのだ。

原作が少女漫画なので抵抗のある方もいらっしゃるだろう。確かにストーリーは大人の目から見ると甘ったるいが、見事に若者たちの瑞々しい青春と恋愛を描き切っていると言っていいのではないか。

今作のパワフルな浜辺は見る者たちに「青春時代、こんな子に会いたかった」と思わせ、元気を分け与えてくれる。思えば、この2018年は彼女が『センセイ君主』とTVドラマ『賭ケグルイ』で一皮も二皮も剥けた年だったのだ。