ともじぇり

人魚の眠る家のともじぇりのレビュー・感想・評価

人魚の眠る家(2018年製作の映画)
4.0
時間をかけて、ようやく娘の死を受け入れた、母薫子の葛藤を思うと胸が痛い。
「どこかで、心臓が動いているということは、まだ彼女は生きている」という医師の言葉と、薫子の狂気の行動に対して、「誰にどう思われようと守ると決めたんでしょ」と言い放った祖母、松坂慶子さんの言葉と演技に涙が出た。
祖母である彼女もまた、薫子の母であり、娘の思いに寄り添って、孫の介護に携わっていたから余計にそう思う。
親子の愛情は時に方向を見失ってしまう。
そんな時は原点に戻って、ただ側にいる。それだけで良いと感じた。
例え、姿がそこになくとも、一緒に生きていると思える事が出来たなら(そんな瞬間があれば)薫子の痛みも、少しは癒えるのではないだろうか。
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