最初から最後まですべて予想通りなのに飽きない。ふしぎ。
「僕の前から消えないでくれ」
「君のような女が存在する。それが謎だ」
いや、あんたが勝手に消えとんやがな。
こんな甘い言葉を当たり前のように…
現在からの回想形式で語られる物語はフィルムノワールの定石であり、主人公2人のシーンは夜の暗闇など黒で占められている。背景の黒に浮かび上がる白色のジョーン・フォンテーンが忘れがたい印象を残す。聴覚(男…
>>続きを読む自分がかつて上階から眺めていた女のように、ルイ・ジュールダンの隣で階段を上るジョーン・フォンテインを捉えたショットは、同じフレーミングであることが甘美であるとともに残酷だった。
何度も階段を上ってし…
話だけ聞いてたら「そんなバカな男は忘れろ愚か!」と一蹴したくなる悲劇を、圧倒的に美しく儚い時間で説得力を持たせる。夜の公園、電車の旅、2人のダンスのための楽団。忘れられるわけないわ。そしてエモーショ…
>>続きを読むジョーン・フォンテインの硬さがなんとなくメラニー・ロランを思い出させる。その硬さゆえにクズ男の虜となってようやく彼の眼中に入ることになると、ああ…と哀れになる。
クズなピアニストは健忘症ではないかと…
1/14@シネマヴェーラ渋谷
決闘を前にして逃亡を決める元ピアニスト。そこにかつて交流があった女性から手紙が届く。
好きな人に一直線なジョーン・フォンテインが可愛い序盤からだんだん雲行きが怪しく…
監督(マックス・オフュルス)はドイツ出身フランス国籍のユダヤ系、撮影監督(フランツ・プラナー)はオーストリア出身、音楽(ダニエル・アンフィシートロフ)はイタリア系ロシア人。そして作られたのはオースト…
>>続きを読むこのレビューはネタバレを含みます
1人の女性の生涯を通しての片思いの話だった。
幼い頃は可愛いかった一途な想いが時間が経つにつれリザ自身を苦しめるものになってしまっていて辛かった。
本人は本気で好きだと思っていたかもしれないけれど…