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聖なる泉の少女のRIOのレビュー・感想・評価

聖なる泉の少女(2017年製作の映画)
3.9
記憶が拐われるほどの美しい水の表現
水の飛沫が鼓膜に細かく響いてくる

癒しの手を持つ一族は聖なる中にいる日常の生活
他とは違うのに嫌になっている娘ナーメ
出て行きたくなったとしても
でも自分は人とは違うからと思い止まる
頭から被る黒い布を誰にも見られない場所で首から掛けてスカーフにしていた

朝靄が山々にかかる 山合いと静かに広がる湖に吸い込まれる光
記憶の彼方へと運ばれます

神秘を描いているのにとても俗的な感じがした
それが効果的に歴史に削ぎ落とされ残ってきたものを浮かび上がらせる
今が死んでいった者 失くなっていったものの上に立っている事を刻印してくる

もうこの後に残らないのではないかと予期している監督の気持ちが伝わるように村の小道や風景が映し出されていた

父親の存在に持たせているものが表現の9割あるような深みがあり娘のナーメが未来に生きる人間として存在している描き方がSFでもあり哲学的にも受け取れて斬新な感じがしました

もののあわれを随所に特に父親の背中に見れた
息子と2人で採れたての蜂蜜を食べさせ合うとこが良かった
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