佐藤克巳

若き魂の記録 七つボタンの佐藤克巳のレビュー・感想・評価

若き魂の記録 七つボタン(1955年製作の映画)
3.5
古川卓巳監督の名作「人間魚雷出撃す」に繋がる海軍予科練を描いた佳作。長門裕之等若手出演者が、実戦から戻った班長三國蓮太郎の下厳しい訓練の日々が続き、やがて敗戦を迎え社会に旅立つ迄を克明に描写。日本国民全体が命懸けだった時代、先輩三橋達也等は特攻に旅立ち、飛べない彼等は人間魚雷搭乗者に志願していた。だが三國は、長門等に恋文も、写真も許さなかっただけで無く、自らは新珠三千代の恋文を読ませて思い残す事無く爆死する矛盾には我が胸中複雑だったが、長門はデヴュー作でありながら迫真の演技を披露した。
佐藤克巳

佐藤克巳