アラサーちゃん

大頭脳のアラサーちゃんのレビュー・感想・評価

大頭脳(1968年製作の映画)
3.5
「ブレイン」の異名で世間をにぎわせる謎の男。脱獄に成功した青年とその相棒のタクシー運転手。はたまた、「ブレイン」に一泡吹かせようと画策するマフィアのボス。四人の男たちが、列車で輸送される巨額の軍事資金の強奪を巡っててんやわんやの大騒ぎ。やがてその大金は、いったいどこに向かうのか。そして、誰の手に渡るのか。

ヨーロッパ映画特有のわがまま要素(わかりづらさというかハチャメチャ感というか、わたしはそう呼んでいる)はもちろんありますが、すったもんだしたあとのめでたしめでたし、という王道のコメディプロットは大変楽しめる。ハラハラして、爆笑して、「そこかあ!」と妙に納得したりもして、「いろんな立場の人間が各々動いてボタンの掛け違いが起こるけど、最後はあまることなくボタンホールが埋まって良かったね」っていう感じの、日本で言えばまさに内田けんじや三谷幸喜など。なんやかんやあっても大団円で終わる感じがすごく好きです。
さらにそこに大金強奪というエピソードがかかってくるので、タランティーノやガイ・リッチー感も。ああいうテイストが好きな方にもぜひおすすめ。

どんなしょうもないアホな役でも、やはりジャン・ポール・ベルモンドはかっこいい。
主役のデビッド・ニーブンは硬派な紳士のイメージが強かったですが、これはこれであり。
個人的にはブールウィルとイーライ・ウォラックのやりとりが大好き。出合いも最高だし終わりも面白すぎ。イーライ・ウォラックも、本人だと思えないくらいクズな役でハマってましたね。

ネタバレにならない程度に結末に言及すると、ああいう、最後の数分でこれだけしっちゃかめっちゃかになったのどう処理するの!?っていうオチを、パレードとかマーチとかカーニバル、キャラバン的に締めてくれるの大好きです。
ジェラール・ウーリーの「大〇〇」シリーズは制覇してないので、すべて観たくなりましたね。楽しめました、良い映画。