のんchan

ベトナムを懐うののんchanのレビュー・感想・評価

ベトナムを懐う(2017年製作の映画)
3.7
1995年のNY。しかしニューヨークらしさは出て来ない。
これはベトナムからアメリカへの移民3世代の家族のルーツの物語。

とても地味です。だけど、胸にジーンと迫り来るものがありました。
これはベトナムの"ボートピープル"のお話でした。


老人ホームから抜け出して来たトゥー爺ちゃん。その日は亡き妻の命日だった。
息子グエンと孫娘のタムの暮らすアパートへ訪ねて行く。
が、タムは彼氏と良いムードのところだったので、邪魔が入ったとお冠。何をやっても爺ちゃんの事が理解出来なく怖い人としか映らない。それもそのはず、タムは顔はアジアでもアメリカ人として育って来たので、ベトナム人の祖父とはカルチャーギャップやらジェネレーションギャップがあり過ぎて全く理解出来ない。
タムにしてみたら、その日は彼氏の誕生日でバースデーケーキ🎂を手作りしていたのだ。それを祖母の命日用かと喜ぶ祖父。言葉も正しく伝わらずお互いにイライラしてしまう。
そこにトゥーと幼馴染みのナム爺さんがやって来て仲を取り持つも...

何故息子グエンがアメリカに渡り故国へ帰れないのかを涙ながらに語る。そこで初めてタムも祖父の気持ちを理解して行く。

極寒のNYで、想い出すのは緑青々とした空気の綺麗なベトナムの田畑や川。懐かしい日々をたっぷり映し出し、味気ないニューヨーク、アメリカでの生活と対比させる。
歌詞がしみじみ刺さる歌を歌う老人達。
トゥーは愛妻を思い続けそのまま天国へ。

暗いだけでもなく、爺ちゃん達のギャグがコメディっぽさを醸し出す(爺さん役2人はベトナムの有名コメディアンらしい)
歴史にも触れられ、なかなかの良作に出会えました‼︎
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