半変人のお調子者

イナゴの日の半変人のお調子者のレビュー・感想・評価

イナゴの日(1975年製作の映画)
4.1
キラキラした夢の世界と見せかけて、嫌〜な空気が立ち込めるハリウッドで巻き起こる一人の女性を巡る愛憎劇。

人が他者への思いやりや希望を失った成れの果てを観た気がする。
人を人たらしめる物を失った時、人は全てを滅ぼすイナゴと化す…

まさに地獄と言うに相応しいラストの光景が目に焼き付いて離れない。

フェイに対して、決して返ってくる事のない愛情を注ぐホーマー。童貞が魔性の女に振り回される様が観ていて痛々しい。我慢に我慢を重ねた彼が遂に爆発する瞬間。他の映画ならスカッとしてもおかしくない展開だけど、この映画の場合、吹っ切れたというより遂に狂ってしまったという感じで、あんなに優しい人が…とやるせない気持ちになった。あのおっちゃんが尋ねなければなぁ…

映画評価基準

この映画が好きか 6
没入感 7
脚本 8
演出 9
映像 10
キャスト 10
音楽 8
余韻 10
おすすめ度 7
何度も観たくなるか 7

計82点